ポーランドのブラックメタルとコロナ感染(メタル漬け生活@ポーランド)

こんにちは!ポーランド在住のSAYUKIです。今日は、ポーランドのブラックメタル界隈で初の新型コロナウイルス感染者となった人物の話をしましょう。


あまりミュージシャンや有名人のコロナ感染の話を耳にしなかった3月17日、ポーランドのとあるブラックメタルバンドのメンバーの感染が確認されました。その人物はBatushka(БАТЮШКА)というポーランド北東部のポドラシェ県出身のバンドメンバーで、国内のブラックメタル界隈ではもちろん、ポドラシェ県内でも初のコロナ感染者となってしまいました。


Batushkaは2月下旬から3月12日までフランス、ドイツ、イギリスなどを含むヨーロッパでツアーを行っていました。しかし、コロナの影響によりツアーは途中で打ち切られてしまい、彼らはポーランドに帰国して自主隔離状態に。ほとんどのバンドメンバーおよびスタッフは何事もなかったようですが、バンドリーダーだけは咳や発熱の症状が出て具合が悪かったとのことです。そして、家族に勧められて検査をしたところ、コロナウイルスの感染が発覚したそうです。


しかし幸いにも軽症で済み、3月末には無事に退院。彼はポドラシェ県初の感染者ということで、メタルとは関係ない国内のニュースメディアにも取り上げられました。また、完治後にはコロナ対策に用いられる血漿を寄付したとのことで、それもニュースになりました。きちんと自分のバンドのロゴが入ったTシャツを着て病院のベッドに横たわる姿がメディアで公開され、「良いプロモーションだ」などという意見もちらほら見かけます。


ちなみにBatushkaというバンドは、数あるブラックメタルの中でも個性的なバンドのひとつです。というのも、悪魔崇拝やペイガニズム信仰などがメインの東欧圏のブラックメタルの中で、珍しく「東方正教会」をテーマにしているバンドなのです。彼らのライブは、ステージに蝋燭が灯され、コーラス隊まで用いて、まるで暗黒のミサさながらの迫力です。残念ながら、2018年末にバンドメンバー間でいざこざがあって現在も揉めている状態なのですが、彼らの1stアルバム『Litourgiya』は、ポーランドのメタル史に刻まれる名盤であることは確かでしょう。


わたしの個人サイトでも、このバンドの紹介やインタビューを掲載しているので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!


バンド紹介: http://dekalog11.com/batushka
インタビュー: http://dekalog11.com/914-2/