ポーランドの教育制度

ポーランドの教育制度は、2000年9月1日から、新教育制度が導入されました。これにより、日本と同じ小学校と中学校の9年間が義務教育になりました。ポーランドの小学校は7才の9月から始まります。

保育園 (0~3歳)
幼稚園 (3~6歳)
小学校 (7~12歳)6年間
中学校 (13~15歳)3年間
普通高等学校(3年間)
職業学校(3~5年間)
大 学 (4~6年間)

以下は以前の8年制についてです。(2000年きのこさん記載)

ポーランドの義務教育は7歳から24歳までの8年制です。
その後「liceum」(リツェウム=普通高校)、technikum(テフニクム=専門高校もしくは職業高校)等に進みます。これらを総称して中等学校(szkoły średnie)といいます。こちらは学校によっても違いますが、普通は3年制です。

この中等学校を卒業するときに「matura」(マトゥーラ)といわれる卒業試験があります。これは卒業試験であると共に大学入学資格を兼ねています。一見当然のことのようですが、学校の全課程を終了しても試験に通らなければ、大学への進学はもちろん、中等教育の卒業資格ももらえませんから、みんな目の色を変えて試験に望みます。

その後、大学か、「policealne」(ポリツェアルネ)という専門学校的なところに進むことができます。大学は5年制、ポリツェアルネは学校によって違いますが大体2年制です。日本の短大みたいなものですね。しかし、ポリツェアルネは大学とは違い、卒業しても中等教育の卒業資格のままです。

ポーランド人の名刺にはよく「mgr」と名前の前に書いてありますが、これは「magister」(マギステル)の略で学士の意味です。学士は大学卒業者がえられる学位のことですが、マトゥーラと同じく、大学の全課程を終えても、学士論文が通らなければ取得できません。大学には行っても学士を取らなかった場合は、やはり学歴としては中等学校卒業となってしまうようです。

ついでに付け足すと、「doktor」(ドクトル)や「profesor」(プロフェッソル)は、一般的には町のお医者さんにも、学校の先生にも呼称としては使いますが、本当は学会等から与えられる名誉ある学位です。つまり、お医者さんだからといって、みんなが博士号を持っていないように、大学で教えているからといってみんなが教授の学位を持っているわけではもちろんありません。1995年度に教授の学位を与えられたのは全ポーランドで367人(うち女性61人)です。

学歴(15歳以上の人口に対しての割合%)
1995年( )内は1988年度

都市部 農村部
大学 6.8 (6.5) 9.8 (9.4) 1.9 (1.8)
専門学校 2.6 (1.6) 3.3 (2.0) 1.3 (1.0)
普通高校 7.1 (6.7) 9.6 (9.3) 3.0 (2.6)
専門高校 43.4 (39.9) 45.9 (43.8) 39.2 (33.7)
義務教育 33.7 (38.8) 27.6 (32.3) 43.8 (49.2)
義務教育中途 6.3 (6.1) 3.6 (2.9) 10.8 (11.2)

ポーランドの教育システムは六三三制となります。現在、小学校は7歳から8年間、普通高校は4年間、大学は5年間(医科大学は6年間)ですが、新制度が導入されると、小学校(シコワ・ポドゥスタヴォーヴァ szkoła podstawowa)は6年間、中学校(ギムナジウム gimnazjum)は3年間、そして普通高校(リツェウム liceum)は3年間となります。

新学期は9月1日からはじまります(大学は10月から)。冬休み(フェリエ・ジモーヴェferie zimowe)は2月頃に2週間ほど、夏休み(ヴァカチエ wakacje)は6月後半から8月一杯となります。その他にもクリスマス、復活祭等の休みがあります。冬休みまでが前期、それ以降が後期になり、2学期制です。

公立学校は原則的に授業料は無料です。ただし、遠足や学校の催しの際にはPTA等から参加費を募ります。

公立学校の他には、私立学校、半公立半私立学校(国の助成金を受けながら、授業料等を父兄から徴収するシステム=シコワ・スポウェッチナ szkoła społeczna)があります。

 

写真はnatemat.plのものです。