ポーランドの温泉

ポーランドの冬は長くてとても寒く、地域によってはマイナス20度を越えるところもあります。そんな時、日本人であれば誰もが温かいお湯に浸かってゆっくりしたいと思うのではないでしょうか?実は、あまり知られていないことですが、ポーランドには各地に温泉があるんです。

ですが、温泉と言っても、日本人が想像する「大浴場」的なものとはちょっと違い、温泉水は主に療養に使用されています。ポーランドでは、Krynica-ZdrójやLądek-Zdrój地名にZdrój(ズドゥルイ)とあるところには療養所やサナトリウムがあり、その地域の温泉水を使ったさまざまな治療が行われています。温泉プールに浸かるのはもちろん(この場合は日本とは違い、必ず水着を着用します)、温泉水を浴びたり、吸引を行ったりします。また、温泉水を飲む治療法もあります。

温泉水を飲む治療法には歴史があり、あのショパンも音楽高校を創業後、チェコとの国境近くにあるDuszniki-Zdrój(ドゥシュニキ・ズドゥルイ)という療養地を訪れています。子供のころから体の弱かったショパンは、治療として温泉水とヤギの乳清やハーブを混ぜたものを一日に何回も飲まなければならなかったという話(ちなみに「とてもまずかった」そうです)。飲水療法は呼吸器や消化器の病気にとても効果があるんだそうです。

そのほかにもLądek-Zdrój(ロンデック・ズドゥルイ)という町は、ポーランド最古の療養地として有名で、文豪ゲーテやロシア皇帝アレクサンダー1世なども訪れています。1498年ロンデック初の療養所として作られた“イエジィ(Jerzy)”は現在も営業しており、ロンデックの温泉水を使った様々な治療が行われています。ロンデックの温泉水にはラジウムが含まれていることが特徴で、ラジウム入り温泉水の吸引はポーランド国内でもここでしか体験できないため、いつも療養客でいっぱいなのだそうです。

サナトリウムは年配の方、ゆっくりと療養したい方にピッタリですが、小さいお子さんと一緒に行くならアクアパークが良いのではないでしょうか?ポーランド南部のZakopane(ザコパネ)、Bukowina Tatrzańska(ブコヴィナ・タトシャンスカ)、 Szaflary(シャフラリィ)等には温泉水を使用したプールのあるアクアパークがあります。大きいプールのほかにもジャグジーやサウナ等の設備が揃っているところがほとんどなので、大人も子供も楽しめること請け合いです。


(写真はnoclegi-duszniki.eu, zuk-sa.com, ladek.pl, czarnagora.pl, termyszaflary.comのものです)