マダムKのレシピワールド : クリスマスチキン

 
先月は主人の学生時代の集まりがいくつかあって子連れで出席しました。
皆、ポーランドに住んでいる日本人はどのように生活をしているか興味津々というまなざしがあるんですが、今回は日本人向けのホームページにお料理のレシピを書いていると話したら一層興味津々でいろいろと質問が飛んできます。

おりからの日本食ブームに加え、私はかなり細いのできっと日本食を食べているせいだろうと思っている節があります。主人を見ればそんなことはないと明らかなのに…。だいたい何かに出席するときはいつも料理の話題を準備している私です。歴史や文化が話題になると教養の無さが簡単にバレますからね。

今回は自分でも気に入っているムースリーの話しをしました。別に評判はなにも無かったけれども「評判がよかったのよ。」などと話すと、まずは「日本ではムースリーは食べないの?」という質問から始まって、こういう食べ方がおいしいとか、私の家のムースリーのミックスの仕方はこう、いかに健康的な食事であるかなどいろいろと盛り上がるとともに、ムースリーが日常生活のなかにしっかりと根付いているのを感じました。

これからパーティーシーズンに入ります。料理の話題はおすすめです。今回紹介するチキンは中に入れるものは各家庭や地方によっていろいろなバリエイションがあります。中にはおばあちゃんの作ったチキンのフィリングが忘れられないほどおいしかった…など話題は一杯です。日本で言うところのおせち料理みたいなものですから、やはりお袋の味なんでしょうか…?!。

また、そろそろクリスマスはどうしようと考えている方、レストランで食べたいけど子供が騒いでゆっくり食べられないからという方のために家庭でのクリスマス料理を紹介します。私はいつも家で食べるのでわかりませんが、ここではクリスマスは日本のお正月三が日と同じようなものですがレストランも開いているんでしょうか…?!

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★スープ★

玉ねぎ  半分 乱切り
ジャガイモ 3個 乱切り
人参 2本(小さいものは3本) 乱切り
スープストック (水800 ccにスープの素大さじ2をいれたもの)
レモンの絞り汁 大さじ3

レモンの絞り汁以外を鍋に入れ40分煮こむ。ミキサーに入れスープにする。食べる前に温めて、レモンの絞り汁を入れる。

**スープは朝のうちに作っておき夕方は温めてレモンを入れるだけにしておく。

★ローストチキン★

鳥 1羽(約700グラム) 外側と内側を洗って水気をふき取る
塩とコショウ  適量

フィリング(ローストチキンのお腹に詰める物)
フランスパン(古いもの)  20センチ位の長さ 細かく刻む
バター 30グラム
玉ねぎ 30グラム みじん切り
ニンニク 1かけ 押しつぶしてみじん切り
ベーコン 40グラム 千切り
チキンレバー 50グラム 細かく刻む
ミルク 1/8リットル
卵 1個
みじん切りのハーブ(生のパセリ、バジルとタイム) 大さじ3
グリュイエールチーズ 50グラム 細かくおろす
塩、コショウ

ローストチキンのつけ合わせ
ジャガイモ 4個  皮をむき4分の1くらいに切って、塩ゆでしておく

まずフィリングをつくる。
1) パンは半分をミルクに浸し、もう半分はバターを溶かしたフライパンでいためる。
2) 残りのバターで玉ねぎ、ニンニク、ベーコンを炒めしんなりしたら、チキンレバーを加えて軽く炒める。
3) 2)に卵、チーズ、半分の量のハーブを加えて混ぜ、塩コショウで味を整える。
4) 炒めたパン、ミルクにつけたパンを合わせてよくまぜる。
**フィリングの量が多すぎる場合は混ぜ合わせるパンの量を少なくするなど加減しま
す。
5) チキンに塩コショウをたっぷりすりこむ。
6) フィリングをスプーンですくって入れ、楊枝でとめる。
**フィリングは熱を加えると大きくなるので詰め込みすぎないようにする。
7) フライパンでチキンの表面をこんがり焼き色がつく程度に焼く。肉を返すときにフォークなどで表面を突き刺さないように注意する。
8) 200度に熱したオーブンに30分くらいいれ、一旦取り出して残りのハーブと溶かしバターを表面に塗る。塩ゆでしたジャガイモをチキンの回りに並べ、更に15 分から20分オーブンで焼き上げる。随時表面が乾かないようになべ底にたまる焼き
汁を回しかける。

**サラダも作る場合は朝のうちに野菜とドレッシングを別々に作っておき、出す時に混ぜるようにする。
**これだけの準備で結構大変なのでデザートはアイスクリームなどを取り分ける程度にします。

<<ヨーロッパのクリスマス>>

日本のクリスマスの習慣は多分アメリカから入ってきたと思われます。ヨーロッパのクリスマスはちょっと違っていますので少し紹介したいと思います。

クリスマスは1年の中で一番大事な家族の集まりです。日本で言えばお正月のようです。12月にはいるとクリスマスまで色々な準備がありますが、子供たちの楽しみはAdvents Calenderの窓をあけることでしょう。

これは1日から24日までの数字の窓付きの絵があり、子供達が毎日一つづつ窓を開けていきます。中には窓を開けるとチョコレートのはいったものもあり子供は次の日も開けようとするので困りますが…。まるで日本の「もういくつ寝るとお正月…」のようにクリスマスを指折り数えて待つ子供の思いが伝わってきます。

特に子供達にとって楽しみなのはサンタクロースからプレゼントがもらえる日です。ドイツではサンタクロースのことをSt.Nicolausといい、12月6日はSt. Nicolaus dayといい、サンタクロースがプレゼントを届けに来ることになっています。5日の夕方外に靴下を置いておき、6日の朝起きるとプレゼントが入っているというものです。翌日は子連れで出掛けるとだいたい子供に話しかけてくるおばさんは「St. Nicolausからプレゼントを貰った?」なんて聞かれます。

または家庭によってですが、サンタクロースを呼んだり誰かがサンタクロースになったりしてそこにいる子供達にプレゼント(主にチョコレートなどのお菓子)を渡します。芝居げたっぷりに子供達を一人づつ呼んでいい子だったかったかどうか聞いて、いい子だった時はプレゼントがもらえます(きのこの子育て日記クリスマスパーティー潜入参照)。祖父、祖母たちもこの時にチョコレート等のお菓子が一杯入った袋を用意して孫達が尋ねてくるのを楽しみにしているようです。デパートのお菓子売り場はこの時期特ににぎわっています。

これが終わると本番のクリスマスプレゼント選び。誰に何をあげようか…と頭を悩まします。クリスマスツリーは各家庭で24日に飾ります。飾り付けが終わるとそれぞれ各自自分の用意したプレゼントを誰にあげるか名札をつけてツリーの下に置きます。また、郵便で届いたプレゼントもこの日まで開けずに取っておき名前をつけてツリーの下に置きます。キリスト教の関係から24日はお肉は食べず魚料理です。私は仏教徒なので詳しくはわかりませんが・・・。

まず、今年1年の感謝のお祈り。プレゼントはメインディッシュが終わった後、大抵は子供達がプレゼントの運び番になります。それぞれの名札をみてあげる相手の所へ持っていきます。もらったら開けます。中身を見てもらった人はあげた人に挨拶をします。これはいつもよく見る肩を抱いてキスをするという挨拶。私はこの挨拶に出会って10年ほどですが、いまだにうまくやれないというかあまり好きではありませんが…。この時は大人も子供もプレゼントに大喜びでクリスマスの雰囲気は最高潮に達します。

その上に遠くに行って帰れない家族もこの時間を見計らって電話をかけてくるようでこの時は家族が一つになっている感じがします。一通りプレゼントをあけて場が落ち着いたらデザートを食べます。その後は教会のミサに出かけます。新聞にそれぞれの教会で何時からミサがあるか出ているので前もって調べておき、都合の良い時間帯の教会に出かけます。このときはキリスト教徒でない私もしみじみとしてしまいます。オルガンの音色やコーラスなど特に古い教会で行われると歴史を感じずにはいられません。

日本ではしめ縄を飾り、除夜の鐘を聞き、お屠蘇で新年を祝い初詣に出掛けるというのによく似ているのでこういう形で私も私なりに納得し1年を締めくくります。翌日はゆっくりと過ごしますが、女性はキッチンで七面鳥や鴨などと格闘することになり大変な1日になります。我が家はだいたい寝正月ならぬ、寝クリスマスになり、食べてはごろごろしています。休み開けはだいたい体重とダイエットの話しが話題になります。クリスマスツリーは翌年1月6日まで飾ります。

それでは楽しいクリスマスを、そして良いお年をお迎えください。