博物館に行こう・その1(しょこたんのまるっとワルシャワ日記)

ヨーロッパ旅行の楽しみの一つは美術館めぐり☆ルネッサンス、バロック、印象派、シュールレアリズム・・・巨匠の本物の作品を実際にこの目で見る喜びはたまりません。でも、ポーランドって・・・どんな画家がいるの?そもそも美術館ってあるの?って思っている人、少なくないのではないでしょうか。実は私もそう思っていましたが、もちろんポーランドにも素敵な画家がいて、巨匠の作品がたくさんあるんです。

ポーランドの偉大な画家と言えば、まずはカナレット(Canaletto)さん。そんな名前聞いたことがない、という人も、戦争で破壊されたワルシャワの街を復元するために、18世紀のワルシャワの街並みを精巧に書いた絵を参考にした、という話は聞いたことがあると思います。その画家こそがカナレットさんです

カナレットさんは、18世紀ヴェネチア出身の都市景観を得意とした画家です。実はカナレットさんは2人います。ひとりはジョヴァンニ・アントーニオ・カナールさん。あれ、カナレットじゃないの?実はカナレットは小カナールという意味なんだそうです。お父さんはベルナルド・カナールさんで、この方も画家なので、お父さんのカナールと区別するためにカナレットと呼ばれているそう。そしてもうひとりは、ベルナルド・ベッロットさん。ベルナルドさんは、ジョヴァンニさんの妹の息子、つまり甥であり、弟子でもあります。非公式にベルナルド・カナレットと呼ばれることも多く、ポーランドではカナレットといえば甥のこと、が定着しているので、博物館のガイドさんもただ「カナレット」としか教えてくれません

もちろんイタリアではジョヴァンニさんがカナレットさんとして定着しています。年末にペルージャに旅行に行った時、たまたま美術館で『カナレット展』が行われていました。へ~この人、ヴェネチアとワルシャワだけじゃなく、ペルージャも描いてるんだ・・・って思ってふと疑問が・・・

悪いことしてイタリア中逃げ回っていたカラバッジョはともかく、あのレオナルド・ダ・ヴィンチでさえミラノとフィレンツェ以外ほとんどいってなかったというのに、ヴェネチア、ペルージャ、ワルシャワって・・・と、思ったら、ワルシャワを描いたカナレットさんとペルージャを描いたカナレットさんが別人だということを知ったのでした☆

ベルナルドさんは、27歳のときにザクセン選帝侯でもあるポーランド王アウグストに招かれ、ドレスデンなどの景観図を描いたそうです。ドレスデンも第二次世界大戦で破壊され、ベルナルドさんのこの時の絵を参考にして復興したんだそう☆ワルシャワ、ドレスデンという2つの都市をよみがえらせたカナレットさんすごい☆その後ウィーン、サンクトペテルブルクを経て、スタニスワフ王お抱えの宮廷画家として生涯をワルシャワで過ごしたそう。

オペラ座の近くに「カナレット通り」があるらしいので、今度探してこようと思っています☆