花模様の村・ザリピエ (Zalipie)

クラクフから車で80キロメートルほど離れたところにザリピエ (Zalipie)という小さな村があります。
実はこの村、「花模様の村」と呼ばれているのです。なぜでしょうか?

村に行ってみると、外壁が花模様で飾られているおうちがあり、教会も中に入ってみるとお花だらけで圧巻としか言いようがないかわいらしさ。この村では家の中はもちろんのこと、家の外壁や犬小屋、消防署に至るまでが花模様で飾られています。

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花模様は毎年イースター前に描かれます。なんでも以前はこの地方は貧しく、煙突のある暖炉がなかったため、冬になるとストーブの煙で天井がすすだらけになったそうです。それを綺麗にするのと同時に「春にお庭に咲いているお花が一年中近くにあったらいいな」との思いから、いつしか花模様が描かれていくようになったそうです。花模様を描くのは女性の仕事だったそうですが、最近では男性でも描く人が出てきたとか。下書きはせずに絵の具で思いのままにいきなり描いていきます。ザリピエの花模様はパッと目に付く明るいカラフルな色彩が特徴ですが、最近では白い絵の具だけて描かれる花模様もあり、これは繊細なレース編みを思い起こさせるとても美しいものです。

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花模様についての詳細は村内にある民俗博物館 “Zagroda Felicji Curyłowej w Zalipiu”、そして花模様を描く女性達が集まる“Dom Malarek”で知ることが出来ます。また、花模様が描かれた小物類も購入することができます。毎年ザリピエでは“Malowana Chata”と呼ばれるコンクールが開催されていますが、これはザリピエの人たちが自分の家に描いた花模様の美しさを競うもので、1948年より行われている歴史のあるものです。最近は日本人の参加者もいるそうです。

カラフルなお花模様を見ているだけで思わず顔がほころんでしまうこの小さな村、交通の便があまり良くないのが難点ではありますが、ぜひ一度訪れてみてください。花模様に囲まれた民宿で、ポーランドのおいしい田舎料理を体験するのも楽しいですよ。

Zagroda Felicji Curyłowej w Zalipiu の公式サイトはこちら (ポーランド語のみ)

Dom Malarek の公式サイトはこちら (ポーランド語のみ)

ザリピエについては2019年2月、TBS系列「世界の窓」で放送されました。