ニコラウス・コペルニクス (Mikołaj Kopernik)

地動説で世界的に有名なニコラウス・コペルニクスはポーランド人。ポーランド語ではミコワイ・コペルニク(Mikołaj Kopernik)といいます。1473年にポーランド=リトアニア同君連合王国の都市であったトルンという町で、裕福な商人の息子として生まれました。

最初に入った聖ヨハネ教会付属の学校でラテン語と数学そして天文学に触れたコペルニクスは、その後ヴロツワフの教会付属学校を経て1491年クラクフアカデミー(現在のクラクフ・ヤギウェウォ大学)に入学、1495年に卒業します。彼がクラクフで学んだ時期はちょうど天文学・数学の黄金期でした。大学を卒業したその年にはヴァルミア地区の律修司祭になりました。

1496年になると叔父の勧めもあり、イタリアのボローニャで法律を学び始めました。そこで出会った天文学者のドミニカ・マリア・ノヴァッラの影響により、プトレマイオスが提唱した天動説に対する地動説の研究を始め、天体の逆行運動を地球との公転速度の差による見かけ上の物であると説明するなどの理論的裏付けを行っていきました。

しかし当時は「地球のほうが動いている」という主張は聖書の教えに反するものであり、迫害の対象となってしまうために彼の執筆した「天体の回転について」は彼が死去するまで出版されませんでした。

死後はフロムボルグの大聖堂に埋葬されたといわれていましたが、骨は確認されていませんでした。2004年から調査チームが発掘を進め、大聖堂の深さ約2メートルの場所から2005年夏、遺骨を発見しました。この遺骨はスウェーデンのウプサラ大学との共同調査によりコペルニクスのものと判断されました。

才能豊かだったコペルニクスは天文学者・司祭だけではなく、政治の世界では県知事や行政士官を勤め、また弁護士、医者、占星術師でもありました。

コペルニクスが生まれたといわれている家はトルンの旧市街に残っており、現在はコペルニクス博物館になっています。2018年に改装されてとても近代的になったので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

コペルニクス博物館 (Dom Mikołaja Kopernika)

ul. Kopernika 15/17,  Toruń

tel/ (56) 660 56 13  e-mail: kopernik@muzeum.torun.pl

http://www.muzeum.torun.pl/  (英語あり)