アウシュビッツで盗難事件

 
7月2日、ポーランドの世界遺産としても有名な国立オシフィエンチム博物館(アウシュビッツ=ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所)で盗難事件がありました。

犯人は47歳のドイツ人の男性。教師として生徒達を連れての社会化見学の最中、フォークやはさみ、陶器のかけらなど10点をかばんにしまっている所を拘束されました。犯人がこれらのものを集めたのはドイツ軍占領時代に「カナダ」と収容者達に呼ばれていた、ユダヤ人から奪った生活用品を保管していた倉庫跡一帯でした。この倉庫は戦争末期、ドイツ軍が自分達のしたことをうやむやにするために火をつけたために焼失したものです。

ドイツ人男性は罪を認めており、これらのものを集めたのは生徒達に当時のものを見せたかったからと言っています。オシフェンチム検察局によると、この事件に関しての最高刑は禁固10年になるとのことですが、男性自身は多額の罰金を払うことと執行猶予で済むように交渉しているそうで、既にその一部を支払い済みとのことです。

この博物館における有名な盗難事件には2009年、収容所の門に掲げられている“Arbeit macht frei(働けば自由になる)”の標語盗難事件があります。すでに犯人グループそして元締めのスウェーデン人男性は逮捕されており、禁固刑に処されています。

(写真はwww.polska.travelのものです)