ポーランドのクリスマス – ポーランドの祝祭日

キリスト教徒の多いポーランド人にとって、クリスマス(Boże Narodzenie)はイースターと並んで一年のうちで最も大事な聖日ではないでしょうか。日本ではクリスマスは恋人達のためのものということになっていますが、ポーランドでは家族が集まって過ごします。

ポーランドのクリスマスは12月24日から26日まで。24日はWigilia(ヴィギリア)と呼ばれる、いわゆるクリスマスイブ。この日はまだ休日ではなく、大都市ではショッピングセンターなどもお昼過ぎまでは営業していることが多いです(2023年の24日は日曜日のため、商店は休業になります!)。普通の会社やお役所でも、通常営業のところもあります。25・26日は国民の休日になり、学校や会社、商店などもお休みになります。

さて24日。この日は家族が一堂に会して一緒に夕食をとります。正装した家族が集まると食事が始まりますが、その前にopłatek(オプワテック)という、白くて薄いワッフルのようなものがそれぞれに配られます。お互いのそれを少し割っては口にし、相手の健康や仕事の成功などを願った後にポーランド式に頬に3回キスをします。それが終わると食卓に着きます。ポーランドではこの日は伝統的に肉を食べないことになっていて、鯉料理や鰊料理、ウシュカ入りのバルシチ(家庭によってはきのこスープ)、キャベツ入りのピエロギなど12種類の料理が並びます。食卓には必ず人数分以外にもう一組のお皿が並べられていますが、これは、誰が突然訪ねてきてもいいように、たとえそれが知らない人でも一緒にクリスマスを祝おうという伝統からきています。デザートにはクリスマスになくてはならないケシの実ケーキのmakowiec(マコヴィエツ)、sernik(セルニック‐チーズケーキ)、keks(ケクス‐ドライフルーツ入りパウンドケーキ)、babka(バプカ‐シュガーコーティングされたレモン味のケーキ)やドライフルーツを煮出して作ったコンポートなどが並びます。本当ならこの日はアルコールもとらないことになっていますが、現実はそこは家庭によりけりと言ったところです。

Oplatekをお互い割り合う

食事が終わると待ちに待ったプレゼントです。小さな子供のいる家庭では、サンタクロースに扮した大人がプレゼントを配ったりします。その後はまた食事に戻る人もいれば、クリスマスキャロル(kolędy-コレンディ)を歌う人もいます。ちなみにショパンのピアノ曲・スケルツォ第1番ロ短調には、よく歌われるクリスマスキャロル“Lulajże Jezuniu(ルライジェ・イエズニュ‐眠れ、幼きイエス)”のメロディが使われています。

25日0時に人々は教会のpasterka(パステルカ)と呼ばれるクリスマスミサに集まります。そしてここでもクリスマスキャロルが歌われます。

25日は肉料理もアルコールも解禁。親戚・知人を訪ねたり、また訪ねてきたりで食卓は一段とにぎやかになりますが、さすがに食べ疲れたり、家にいてもすることが無く退屈する人も出てきます。そのような客層を狙ってなのか、最近では25・26日でも大きい映画館だと営業しているところもあります。27日からは通常の仕事に戻る人も多く、そのため26日はちょっとした帰省ラッシュになります。