夏至祭り (Noc Kupały) – ポーランドの祝祭日

6月21日は夏至の日です。ポーランドを含むスラブ諸国では古代からこの日は水と火、愛と子孫繁栄、そして太陽と月を祝う日であり、占いなどが行われる夏至祭り(Noc Kupały ‐ノツ・クパウィ)の日でした。

この夏至祭りに行われていた占いや儀式はほとんど全てが健康と豊作に関係するものでした。例えば、既婚の女性が焚き火のまわりで踊りながら焚き火にヨモギやセージを投げ入れると、子孫繁栄と豊作にご利益があると言われていました。焚き火の上を飛び越えることと焚き火のまわりで踊ることは、心身を清浄にし、悪い気や病気から守ってくれると信じられていました。

そしてこの夏至祭り、今で言うバレンタインの役割も果たしていたとか。夏至祭りの夜、未婚の少女達は花やハーブを編んで花輪を編み、それを川に流していました。下流では青年達が花輪を掬おうと待ち構えています。青年たちは花輪を掬うと少女達のところへ行き、自分が掬った花輪を誰が編んだのかを確かめます。花輪を作った少女とそれを掬った青年はカップルになると言われているからでした。晴れてカップルが成立すると、ふたりはファンフラワー(kwiat paproci‐クフィアト・パプロチ)と呼ばれる、見つけると幸せになれるという言い伝えのある花を探しに森へ散歩に出ます。

2010年より夏至祭りはポズナンで盛大に行われていました。これは古代の占いなども再現するのはもちろんのこと、目玉はランタン飛ばし。たくさんのランタンが大空に舞い上がっていく光景はとても美しく、幽玄と言う言葉がピッタリです。2013年にはギネス記録にも挑戦。毎年若い人を中心に盛り上がり、このための観光ツアーもあったりメディアも取材に来たりと人気のイベントだったのですが、2014年からは開催中止になりました。とても残念ですが、再開を期待したいところです。