ポーランドの建築様式・シフィデルマイエル

ワルシャワ郊外南東の方へ行くと、美しい装飾のある木造住宅を見ることが出来ます。これはこの地域独特の建築様式で、シフィデルマイエル(Świdermajer)と名づけられています。

この様式の家は19世紀末から20世紀初頭にかけて、ワルシャワとオトフォツクを結ぶ鉄道路線に沿って作られたものです。この様式を開発したのはミハウ・エルヴィロ・アンドリオリという有名なポーランドのアーティストでした。彼は1880年ここに流れるシフィデル川を挟んだ両側に広大な土地を購入し、ペンションを建てることにしました。当時の建物はスイス・アルプス様式が流行していましたが、アンドリオリはそこに自分のアイデア、例えばロシアで見たバルコニーやベランダを付け加えたことで、この様式が誕生したのでした。

シフィデルマイエルという名前は、ここによく遊びに来ていた詩人のコンスタンティ・イルデフォンス・がウチンスキがこの地を流れるシフィデル川と、当時流行っていビーダーマイヤー様式(biedermeier)をもじって付けたそうです。

これらの建物は今でも残っており、古いものだと築100年を越しているとか。車がないと少し行きにくい場所ですが、ここでしか見ることのできないものなのでぜひ機会があれば行ってみてはいかがでしょうか?

シフィデルマイエルについては2018年12月TBS「世界の窓」で放送されました。