レフ・ヴァウェンサ (Lech Wałęsa)

レフ・ヴァウェンサ(日本ではワレサと読まれるが、ポーランド語での発音はヴァウェンサ)はポーランドの労働運動家、独立自主管理労組「連帯」の初代委員長です。

レフ・ヴァウェンサは1943年9月29日、現在のクヤフスコ・ポモルスキェ県にあるポポヴァという小さな村で7人兄弟の4番目として生まれました。1961年にリプノの職業訓練学校を卒業したのちウォホチンと言う村で電気工として働いた後、1967年グダンスクのレーニン造船所の電気工となりました。1976年以後、ストライキ委員会の一員として活躍。1980年には物価値上げに端を発した造船所の争議を指導。バルト海沿岸工場間ストライキ委員会委員長に就任。グダンスク合意を成功させ、「連帯」の委員長になりました。1981年12月ポーランド政府の戒厳令により、翌年11月まで身柄を拘束されましたた。1983年10月にノーベル平和賞受賞。1988-89年の政府・「連帯」・カトリック教会との「円卓会議」実現に尽力、「連帯」合法化後の1989年ポーランド初の部分的自由選挙で「連帯」を勝利に導きました。非共産主義政権発足後の1990年に大統領に就任、1995年まで任務を務めました。1995年には「レフ・ヴァウェンサ・ファンデーション」を設立、それまでの経験をもとにして、政治活動でのモラルや独立国家の必要性、また「連帯」活動の歴史などを若い世代に伝えていく活動をしています。

プライベートでは1969年に妻のダヌタさんと結婚、8人の子供に恵まれました。また、敬虔なカトリック教徒であることでも知られています。2013年にはポーランド映画界の巨匠であるアンジェイ・ヴァイダ監督が、ヴァウェンサ氏および連帯をテーマにした伝記映画「ワレサ 連帯の男」を発表しています。