ビゴス(bigos)はポーランドの代表的な伝統料理で、発酵キャベツ(kapusta kiszona)、つまりザワークラウトと生キャベツを肉類と煮込んだものです。生キャベツを使わず発酵キャベツだけで作ることもあります。それぞれの家庭で味付けが異なりますが、基本的にはたまねぎ・乾燥きのこ・乾燥プラム・赤ワインを加えて煮込みます。肉は牛肉・豚肉・ベーコン・ソーセージが使われることがほとんどで、鶏肉はあまり使いません。 煮込めば煮込むほどおいしくなるので、食べる2-3日前に料理し、その後は火にかける→おろして冷ます→火にかけるを繰り返します。昔は冷ますために鍋を雪の上に置いていたそうです。 味の決め手になるのがスパイスで、ローリエ(liście laurowe)、オールスパイス(ziele angielskie)やジュニパーベリー(jałowiec)、黒胡椒(pieprz czarny)の粒を加えます。家庭によってはマジョラム(majeranek)やセイボリー(cząbr)を加えたりもします。仕上げにトマトピューレを加える家庭もあります。キャベツと肉類の分量はレシピによって違いますが、肉類の量はけちらない方がおいしく出来ます。また、肉類はキャベツと煮込む前に先に火を通しておきます。 伝統的なビゴスのほかに、下のようなバリエーションもあります。 bigos litewski ビゴス・リテフスキ リトアニア風ビゴス:酸味の多いリンゴを加えたもの bigos hultajski ビゴス・フルタイスキ ならず者風ビゴス:細かく切った肉とラードを加えたもの bigos węgierski ビゴス・ヴェンギエルスキ ハンガリー風ビゴス:唐辛子とサワークリームを加えたもの bigos myśliwski ビゴス・ミシリフスキ 猟師風ビゴス:焼いた鹿もしくは兎の肉とジュニパーベリーを加えたもの 一般的にビゴスはポーランドのレストランではメインの料理ではなく、前菜のカテゴリーに入っています。ウオッカを飲みながらパンと一緒に食べるのが伝統的な食べ方です。 関連記事 / Related posts: フウォドニク (Chłodnik) バルシチ (Barszcz) ポーランドで食べたいもの 発酵キャベツ(Kapusta Kiszona) ゴロンカ (Golonka)
ズパ・オグルコヴァはポーランドのスープのひとつで、その名前が示す通り、きゅうり(ogórek – オグレック)のスープです。 きゅうりと言っても生のきゅうりが入っているわけではありません。ここで使用されるのはポーランドではお馴染みの発酵きゅうり(ogórki kiszone – オグルキ・キショネ)です。 作り方は、まずセロリの根・にんじん・パセリの根・たまねぎ・肉類・香辛料を煮込んでブイヨンを作ります。お […]
ポーランドでは7月くらいからきのこが出回り始めます。ポーランド人はきのこが大好き。週末は家族で森へきのこ狩りに行くこともあります。ワルシャワなどの都市ではきのこ狩りが出来るところは限られていますが、市場では量り売りで購入することが出来ます。さまざまな種類のきのこが籠に盛られて売られていて、どれを買おうか頭を悩ませてしまうほど。マッシュルームやヒラタケなどは一年を通して購入することが出来ますが […]
今回は日本人だったらちょっとびっくりしてまうスープ、ズパ・オヴォツォヴァ(Zupa Owocowa)をご紹介します。では一体これはどんなスープなんでしょうか?ヒント:ズパはポーランド語でスープ、オヴォツォヴァは「果物の」という意味。そう、フルーツスープのことなんです。 ポーランドの夏はイチゴやラズベリー、プラム、チェリー、ブルーベリーなどのベリー類が多く出回り、値段も安い上に甘くてとてもおいしいです。それ […]
フウォドニク (Chłodnik)はポーランドのスープの一種です。冷たい(Chłodny)という言葉から名前が付いているとおり、夏によく食べられる冷製スープです。本来は冷たいスープ全般をフオドニクといいますが、一般的にフウォドニクと言った場合は、鮮やかなピンク色が特徴のフオドニク・リテフスキ(Chłodnik Litewski)を指すことが多いです。 これはボトヴィンカ(Botwinka)と呼ばれるテーブルビートの一種もしくはブラキ(Buraki […]
マコヴィエツ(Makowiec)はポーランドのお菓子で、イーストの入った生地でポピーシードやナッツの入ったフィリングをくるんでオーブンで焼いたものです。クリスマスやイースターに必ず食べられるお菓子として有名ですが、祝日だけのものと言うわけではなく、年間を通して売っています。 フィリングにはポピーシードのほかにもアーモンドやくるみなどのナッツを細かく砕いたもの、オレンジピール、レーズン、そしてはちみつや […]
ゴロンカはポーランドでよく食べられる肉料理です。ゴロンカとは豚のすね肉のことで、これをローストしたり煮込んだりして調理します。 ローストしたゴロンカはパリパリの皮の下に分厚い脂としっとりしたお肉が層になっていて、脂分のせいなのか少し食べただけでもかなりおなかがいっぱいになります。マスタードとホースラディッシュをたっぷりつけて食べるととてもおいしく、ビールのお供にぴったりです。このローストゴロ […]
セルニック(Sernik)はポーランド語でチーズケーキのことです。甘いものをよく食べるポーランドではケーキの数も豊富ですが、その中でもチーズケーキは特にポピュラーです。 最近ではレアチーズケーキ(Sernik na zimno – セルニック・ナ・ジムノ)なども売られるようになって来ましたが、伝統的なポーランドのチーズケーキはベークドチーズケーキです。ほとんどの場合角型で、上が格子模様で飾られているものもよくあ […]
プラツキ・ジェムニアチャネ(Placki ziemniaczane)はポーランドでよく食べられる料理のひとつで、摩り下ろしたじゃがいもをフライパンで焼いたパンケーキのようなものです。プラツキ(placki)とだけで呼ばれることもあります。 いたってシンプルな料理で、基本的にはじゃがいもの皮をむいて摩り下ろし、そこに小麦粉・卵・塩・胡椒を入れてよく混ぜ、油を引いたフライパンで両面がキツネ色になるまで焼いたら出来上が […]
ズパ・グジボヴァ(Zupa grzybowa)はポーランドのポピュラーなスープです。Grzyby(グジビィ)はポーランド語できのこを意味するとおり、きのこがメインに入っています。特に新鮮なきのこが出回る夏の終わりから秋の初めにかけてよく作られるもので、ポーランド料理のレストランのメニューには必ず載っているものです。きのこの旬が過ぎるたら乾燥きのこを使って作ります。クリスマスイブの食卓に出ることも多いスープです。 […]
スマレッツ(Smalec)は玉ねぎやベーコンなどを炒めたラードを冷やして固めたもので、パンに塗って食べます。ポーランド料理店に行くとよくつきだしとしてパンと一緒に出てきます。 そもそもスマレッツという言葉自体がラードを意味しています。このラードをフライパンで溶かし、みじん切りにした玉ねぎ、粗くすりおろしたりんご、ベーコン、にんにく、タイムやマジョラムなどハーブを入れてよく炒め、塩胡椒で味付けをしてか […]
ミゼリア (Mizeria)はポーランドのサラダの一種で、主に肉とじゃがいもの付けあわせとして出されるものです。主な材料はきゅうりとサワークリーム(śmietana)で、一般家庭やミルクバーではおなじみですが、レストランではあまりお目にかかりません。 作り方はとても簡単です。よく洗ったきゅうりの皮をむき、薄い輪切りにします。そこにサワークリームを加えてよく混ぜ、塩・胡椒で味付けをして出来上がり。砂糖やワインビネ […]
オスツィペック(oscypek)はポーランドの南部の山岳地帯で昔ながらの製法で作られる、伝統的な燻製チーズです。 このチーズは羊の乳で作られており、円錐形もしくは童話に出てくる糸紡ぎのような形をしています。中央部分には模様が入っていて、外側は明るい茶色、内側はクリーム色をしています。食感はかためで、塩気が効いています。2007年にはEUの原産地名手保護制度に認定されました。 羊の乳は牛乳に比べてたんぱく質や […]