ポーランド人ジャズピアニストがグラミー賞を受賞

 
世界で最も権威ある音楽賞のひとつであるグラミー賞。第56回目の授賞式が2014年1月26日にカリフォルニア州ロサンゼルス市のステイプルズ・センターで行われ、ポーランドのピアニストで作曲家のヴウォデック・パヴリック(Włodek Pawlik)氏作曲のアルバム“Night In Calisia”が、最優秀大規模ジャズ・アンサンブル・アルバム賞を受賞しました。ポーランド人がグラミーのジャズ部門で受賞したのは初めてのことです。

このアルバムはパヴリック氏率いる“ヴウォデック・パヴリック・トリオ”とカリシュフィルハーモニー交響楽団、そしてアメリカのトランペッター、ランディ・ブレッカー氏が参加したもので、カリシュ(Kalisz)という町の創立1850年を記念して2010年に作曲されたものです。

パヴリック氏は1950年生まれ。ワルシャワのショパン音楽院(現・ショパン音楽大学)にてバルバラ・ヘッセ=ブコフスカ教授のもとで研鑽を積んだ後、ハンブルグ音楽大学のジャズ科に留学。その後世界中の様々なジャズコンテストやジャズフェスティバルで入賞。現在はピアニスト・作曲家としてこれまでに24枚のCDをリリースする傍ら、ショパン音楽大学で即興演奏の教鞭を執っています。

パヴリック氏は受賞後のインタビューで「とてもとても嬉しい。ジャズはアメリカの音楽です。ジャズが生まれた国で賞を頂けて、本当に幸せです」とコメントしています。

実はポーランド人がグラミー賞を受賞するのは今回が初めてではありません。昨年のグラミー賞クラシック部門ではアントニオ・ヴィト氏指揮、ワルシャワ・フィルハーモニー交響楽団が演奏したクシシュトフ・ペンデレツキ氏のアルバムが最優秀クラシック・コンペンディアム賞を受賞しています。ちなみに指揮者のヴィト氏はこれまでになんと7回もノミネートされているそうです。しかし特筆すべきははウッジ生まれの大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタイン氏で、ソロや室内楽・ピアノコンチェルトなどを合わせるとグラミー賞を受賞したのはなんと10回!これはポーランド人最多記録だそうです。

(写真はwiadomosc.wp.plのものです)