いのちの窓 (Okno Życia)

 
ワルシャワの中心部、にぎやかなマルシャウコフスカ通りを曲がって少し歩いていくと、「Okno Życia(いのちの窓)」と書かれた小さな窓があります。

これは福祉・慈善活動行っているカリタス・ポーランドによるもので、2006年3月にクラクフで始められました。生まれてきた子供をを育てることのできない親が、思いあまってその子を捨てたり殺害したりしなくても済むよう、匿名で赤ちゃんを安全に置いて行ける場所です。

窓のなかには小さなベッドがあり、夏は適度に涼しく、冬は暖かくされています。窓が開くと、中の職員にそれを知らせるアラームが鳴り、すぐに職員が新生児を保護、救急車に連絡します。赤ちゃんは救急車が来るまでは保育器に入れられ、その後病院で精密検査を受けます。

日本では熊本の慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」がこれにあたりますが、ポーランド国内ではすでに51箇所が設置されており、これまでに71人の赤ちゃんが保護されています。その状態も様々で、ひとめで病院で生まれたとわかるようなきちんとケアされた子から、生まれたばかりで胎盤が付いているままの子もいたそうです。最近でもワルシャワで女児が、チェンストホーヴァでは生後3日程と思われる男児が保護されています。

クラクフの「いのちの窓」を管理しているカリタス・クラクフ支部では、生まれてくる子供を育てていけない女性達に「いのちの窓」の存在を知ってもらうキャンペーンを行っていますが、これはもちろん、出産が母親にとっても子供にとっても不幸な結果をもたらさないようにするためだそうです。保護された赤ちゃん達は法的なプロセスを経て、養子縁組によって新しい人生を歩んでいきます。
 

caritas krakow

 
カリタス・ポーランド公式ホームページ (ポーランド語のみ)