12月下旬に入ってようやく零下。やっと冬が来たという感じです。天気は朝からずっとどんよりしているし、3時に日が暮れてしまう。おまけにそういう曇りの日は、ここの人は低気圧のせいだといいますが、頭もどよーんと重く何をする気もおこらなくなりがちです。そんなわけで、冬は子供も病気ばっかりと毎年ふてくされて過ごしていたのですが、これはいかんと子連れ観劇にチャレンジしてみることにしました。
そもそもオペラが冬しかやっていないのも、ヨーロッパの冬がつまらないせいではないでしょうか。退屈だから、いっちょ景気づけに劇でも見るかとか、音楽でも聴くかとかそんなのりで始まったのでは。室内楽とかだって、絶対夏にはやってなかったと思うのですが。
それはともかく、思えばおサルだった娘ももう3歳半。バレエだったら最後までもつかもと、テアトル・ビエルキ(大劇場)にチケットを買いに行きました。演目は色々あったのですが、La dolce vitaというフェリーニの映画をバレエにしたものを選んでみました。
席はもしかしたら途中で帰るはめになることを考慮に入れて、2階の35zl(=約900円)の席。悪い癖で日本の物価で考えると、申し訳ないような値段です。3席ごとに区切りが入れてあるので、迷惑をかけるとしても1人だけですみそうです。
それで準備として2~3日ぐらい前から「今度、バレエ観にいくの。おくちチャックして静かに観ないとだめなんだよ。」と何度も言い聞かせました。
当日はこっそり鞄の中にジュースとあめを入れ(本当は、席に食べ物&飲み物を持ち込むのは厳禁。外にちゃんとバーがあるので、そこで始まる前や幕間に飲んだり食べたりできる)、出発。
席はバルコニーの一番前なので、身を乗り出したら落ちそう。娘はオーケストラの練習が始まるともう興味しんしんで、前に行こうとするので怖くて足をつかんでいました。バレエは、15分ごとに場面や衣装が替わるゴージャスさで、親子2人拍手の嵐。ミュージカルのようにテンポが早いので、観客を飽きさせません。(クラシックバレエを期待した人にはいまいちだったよう。内容も大人向け。)
幕間で帰ろうかとも思いましたが、まだ観たい!というので、外のバーでジュースを買って飲んで一息。さすがに後半では少しだれていましたが、あめの力でなんとか乗り切りました。
上から下の席をチェックしてみましたが、さすがに子連れは少なく、いても10歳前後の子供のみ。席を探して娘の手を引いてうろうろしていると、「あら、小さな子がいるわねー」という感じで見られました。皆ニコニコとしていたので、非難ではなかったと思うのですが。隣の席の人には「良い子にしてたねえ」と声をかけられ、ほっとしました。
自分のことを考えると、3歳半の出来事なんてほとんど覚えていないけど、「ポーランドって何か楽しかった」という思い出ができればいいなと思っています。
<<観劇情報>>
観劇や映画情報はそれこそ毎日新聞に載っているのですが、ポーランド語がだめという人にはちょっと敷居が高いかも。まずは一番お手軽なのが、Insider。(写真中央)英語でばっちり書いてある。これでも満足いかないという方はspotkania z Warszawa。ポーランド語&英語表記。(でも、英語は付け足し程度)
テアトル・ビエルキが2ヶ月に一回出しているパンフもわかりやすくて便利。(写真手前)(これはテアトル・ビエルキの出し物のみ)
どこでチケットを買うかといえば、劇場で直接&チケット取り扱い店と2つのチョイスがありますが、劇場に行ってしまった方が初心者には手っ取り早いと思います。テアトル・ビエルキの場合、正面左、KASAと書いてあるところをめざしてください。
ポーランド語ができなくても、パンフレットの演目を指させば大丈夫。残っている席の中で一番良い席がよければ「ナイレプシェ」(best)と言ってみてください。(コンピューターで席の表がうつるので、わかりやすい)2ヶ月先まで予約OK。チケット発売は2週間くらい前からです。
strefa:最前列 (110zl) → スペインのテナー歌手ホセ・クーラの時は700zl!!もしたぞ。
parter:1階席 (35~65zl)
amfiteatr:中1階席(30~65zl)
barkon1:2階席 (23~65zl)
barkon2:3階席 (13~17zl)
barkon3:最上階 (12zl)
*ポーランド語が話せる人は、もちろん電話で予約ができます。
個人的なお勧めは、バレエなら「クルミ割り人形」。衣装も踊りも、女の子の夢の王道を行く!という感じです。
*この記事は2001年に書かれたものです。