10月31日はハロウィンですね。もともとはアメリカやイギリスなどのアングロ・サクソン系の国で祝われているこのお祭り、カトリック教国のポーランドにはまったく関係のないものだったのですが、10数年くらい前から祝われるようになりました。10月始めあたりから、お洒落なレストランやバーはかぼちゃを飾り始めます。かぼちゃをくり抜いて火を灯したジャック・オ・ランタンを見かけることも増えました。
主に楽しんでいるのは子供達ではないでしょうか?幼稚園や小学校では仮装してパーティをするところもあるそうです。この日のためにわざわざ衣装を手作りする本格的な親御さんもいるんだとか。そしてなんと、アメリカと同じように「Cukierek albo psikus?(trick or treate – お菓子をくれないといたずらするよ)」と家のドアベルを鳴らす子供達もいます。
それでは大人のハロウィンの楽しみ方は?これはクラブのハロウィンパーティだと思います。やはりほとんどが仮装パーティですが、子供の仮装と違うのはゾンビや悪魔、血まみれなど、おどろどろしい仮装やメイクが多いことです。仮装コンテストが行われることもよくあります。翌日は国民の祝日なので、ウィークデーにはめをはずして遊ぶことができるのも大きなポイントではないでしょうか。ただ、バレンタインと同じようにもともとポーランドの祝日ではないため、ハロウィンの一般化をあまり快く思わない人も多いです。
もともとポーランドでは、ハロウィンの翌日の11月1日の「諸聖人の祝日 (Wszystkich Świętych) 」の方が大切な祝日です。これは一般的には「死者の日 (Dzień Zmarłych)」と呼ばれている日本で言ういわゆるお盆、お墓参りの日で、学校も会社も全て休みになります。本当の「死者の日 (Dzień Zmarłych)」は11月2日なのですが、ポーランド人でも11月1日を死者の日という人が多く、大体皆この日にお参りに行きます。人々はこの日のために前々からろうそくやお花を準備し、11月1日当日は家族や先祖が眠る墓地に赴きます。墓地の近くには必ず花屋さんがあり、そこでろうそくも売っているので、手ぶらで行くこともありますが、この日はとても混雑するので前もって準備する人が多いようです。お墓を掃除し、花を手向け、たくさんのろうそくに火をつけます。ろうそくはガラス瓶に入っているものが多いです。蓋が付いているので、風が吹いてもすぐに消えることはありません。日が暮れた後、広い墓地に無数のろうそくの炎がゆらめいている光景はとても美しく、幻想的でさえあります。手向けるお花は菊の花が一般的で、意外な日本との共通点を感じました。白いもののほかにも黄色や紫など、特に色の制限はないようです。
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(文中の写真はse.pl, dalekoniedaleko.blogspot.plのものです)