夏休みはいかがでしたか。もう終わってしまった方、楽しい思い出ができましたか。またこれからの方、もう少し夏らしく暑くなるといいですね。
私達家族は主人の実家のあるドイツへ行きました。ドイツと言っても隣の町はもうフランスになるので15分程車で走ると旧国境が見えてきます。未だにフランス側は時々検問があるのでちょっとスーパーへ買い物というときにもパスポートを持って出かけます。
このあたりのドイツ人はやっぱりグルメの国フランスのスーパーのものがおいしいと信じています。確かに魚は豊富に売っているし、パッケージのジュースも心なしかおいしく感じます。旧国境を越えると当たり前ですが言葉がかわり、お金もフランになり、ケーキのデコレーションも素敵になり…島国日本育ちの私にはとっても不思議な感じです。
ヨーロッパではいろいろ珍しい食べ物がありますが、実家に行くと必ず食べるのがカエルの料理です。エーッと思うでしょう。でも外見のグロテスクな感じとは違ってとてもおいしいんです。カエルの後ろ足の部分をから揚げにしてトマトソースが絡めてあります。単にニンニク風味だけのものもありますがだいたいは選べるようになっています。Cuisses de grenouilles fraichesといいます。トマトソースはプロバンス風(provencale)又はソース無し(nature)が選べるところが多いです。あっさりしたチキンのようです。小骨があるので子供には肉の部分だけ取ってあげるのがいいと思います。もしフランスへ行く機会があったときは試してみてください。参考までにドイツではカエルを食べるのは禁止されています。カエルの皮をむくのは残酷だというのが理由だそうです。
さてさて、ともかくお国柄でいろいろな珍しい食べ物がありますが、こちらのスーパーに目を移すと肉売り場で「なにこれ…?」というのが子牛肉(Cielecina)です。一見、豚肉のような色をしています。割合に何の料理にも合うと思いますが、私はシュニッツェル(Sznycel)にして食べるのが一番おいしいと思います。
私はお肉はだいたいまとめて買って冷凍してしまうんですが、以前酢豚を作ろうと思って間違って子牛肉を解凍してしまいました。それでみ予定通り酢豚の要領で酢子牛にしました。主人はおいしいといって食べましたがやっぱり子牛肉はシュニッツェルがあうと内心思いました。このお料理は七面鳥の胸肉(File z Indyka)でもおいしくできます。
*子牛肉薄切り 又は、七面鳥の胸肉 4枚(子供用は手に持って食べられるように細長くする。)
**スーパーでは薄切り肉をSznycelと表示して売っている。問題は肉のやわらかさですが、見た感じでは判別しにくいのでだいたいキロあたり22zl位の値段のものがおいしいです。(地域によって物価は多少違うかも知れません。)また、かたまりで買う場合は肉の繊維に対して直角に1cmくらいの厚さに切る。少し冷凍して固くすると切りやすい。
*塩、小麦粉 適量
*卵 (軽く溶きほぐす)
*パン粉
**日本のパン粉もいいですが、パン屋にいくとパン粉が売っています。あるいは、固くなった古いフランスパンをチーズおろしのような金属製の下ろしがねでガリガリとやっても粉ができます。内側の白い部分がやりにくい場合はオーブンに入れて乾燥させてからおろします。又は、フードプロセッサーでも細かくできるんじゃないでしょうか。
*植物油 適量
1) 肉はたたいて平らに伸ばし、湿り気はふき取っておく。塩をふって10分程置く。
2) 肉にまず小麦粉をまぶし、次に溶き卵にひたし、最後にパン粉をつけ15分ほどそのままおく。
3) 鍋に多めの油(私はお肉の片面がかぶる程度の量にしています。)をいれて、きれいなきつね色になるまで揚げる。
**ソースはレモンを絞ったもの又は、日本のものが手に入る場合はウスターソースも合うかもしれません。大人向けには少しからしを混ぜるとおもしろいです。
<<もう一つのバリエイション (これはイタリア料理で(Piccata)といいます。)>>
*お肉は前述のものと同じ物を用意する
*塩、コショウ、小麦粉 各適量
*卵 3個 あわ立てるようにかき混ぜる
*オリーブオイル 大さじ2
*パルメザンチーズ(粉になったもの) 60グラム
*バター 適量
1) 卵にオリーブオイルを加えて泡立てるように混ぜ、更にパルメザンチーズを加えて混ぜ、15分程おいてなじませる。
2) 肉は前述のように準備して、軽く塩、コショウをして小麦粉でまぶす。
3)2を1の卵にぐぐらせる。
4)熱したフライパンにバターをいれ、3を入れ両面をきつね色になるように焼く。
これらは冷めてからでもおいしいので多めに作って翌日のお弁当、またはパンにはさんでサンドイッチにしてもおいしいです。