チェンストホーヴァ (Częstochowa) は、ヤスナ・グラ (Jasna Góra) という僧院と黒のマドンナ(Czarna Madonna – チャルナ・マドンナ)で有名な町だ。普段からポーランドだけでなく世界中からの巡礼者が絶えなく、外国語もあちこちで聞こえる。8月15日の聖母被昇天の日には日本の御遍路さんのように、ポーランド各地からヤスナグラを目指して歩いてやってくる人で溢れかえっている。ところで黒のマドンナは、1655年にスウェーデン軍がポーランドを侵略した時にチェンストホーヴァを守った守護神として有名で、他にもこの黒いマドンナにお祈りをして不治の病が治った人が跡を絶たないそうだ。ここへ巡礼来る信者は皆、無心論者にとっては、気でも狂ったかのような熱狂振りだ。
ヤスナ・グラ(正面からの眺め)
ヤスナ・グラは1382年に建てられた。この僧院の中には黒いマドンナという黒色の肌をした聖母の絵が祭られている。それ意外にも壁の装飾は目を見張るものがある。日本の御遍路さんのように、ポーランドはもとより世界中からの巡礼者が絶えない。内壁には松葉杖など、不治の病が治った人々の遺品などが所せましと掛かっている。
黒いマドンナ
黒いマドンナの正式名称は「ヤスナ・グラの聖母 (Matka Boska Jasnogórska- マトカ・ボスカ・ヤスノグルスカ)で、顔には2本の傷跡がついている。モンゴル人がこの黒いマドンナを盗もうとした時に、黒いマドンナが突然重たくなり、盗めなかった腹いせに切りつけたということだ。また、写真では分からないが、この黒のマドンナには無数の宝石が鏤められている。
神聖なミサは、1日中行われている。柵の向こう側に黒いマドンナが祭られているのだが、そこまでたどり着くにも一苦労だ。またこの祭壇の裏には隠れた回廊があり、ミサの終わりにひざまづきながら回れるのだが、ここを回ると黒のマドンナが間近から見られる。ちなみに写真はフラッシュをたかなければOKだ。
(写真はjci.jasnagora.pl、podroze.gazeta.plのものです)