ポーランドとシェンゲン協定(2014年5月更新)

 

2013年10月に改定されたシェンゲン協定ですが、ポーランドにおいてはシェンゲン協定加盟以後も日本と締結されている二国間協定が有効であり、「あらゆる180日間で最大90日の滞在」に限定されない滞在が可能とされています。在ポーランド日本国大使館の該当ページより下記、抜粋します。

(引用)「日本・ポーランド査免取極は、継続して90日を超えない期間の滞在につき査証免除を認めるものです。ポーランドから一旦出国し、その翌日にポーランドに再入国しようとする場合、出国日と再入国日が連続しているために、出国前の滞在日数と再入国後の滞在日数が加算されますので、ご留意下さい。
また、出国日と再入国日との間に2日以上の間隔を開けたとしても、再入国後の滞在期間が長期にわたると判断される場合には、国境警備隊が入国を拒否することもあり得ますのでご注意下さい。」(引用終わり)

つまり、ポーランドではシェンゲン領域内でありながら、連続した90日を超えない限り、何度でも入国できるということになります。シェンゲン条約加盟国での似た例は、日本・オーストリアの二国間協定がありますが、これは最大90日を超えて6ヶ月以内の滞在が認められています。しかし、ポーランドの場合、最大可能滞在日数には言及されておらず、極端な例で言えば、1月1日から90日間滞在し、2日間国外に出て再入国、更に90日間滞在、これを繰り返すことによって、1年間で360日近く合法的に滞在できることになってしまいます。

ここで問題なのは、現在のところ、ポーランド・日本間には空路での直行便がなく、ほとんどの場合、シェンゲン領域内での乗り継ぎになってしまうことです。この場合、例えば最初に入国したのがドイツ、その後ポーランドに入国しても、シェンゲン領域内の移動なので出入国審査は行われず、スタンプもドイツで押されます。そしてポーランドに90日間滞在して、一度チェコに出国したとしても、シェンゲン領域内移動で、出入国審査はありませんから、出国した証明をすることができません。

ならば、シェンゲン領域外ということで、例えばトルコに2日間出て空路で再入国すれば、ポーランドで出入国スタンプを押されますから、日本・ポーランドの二国間協定では問題にはなりません。しかし、その後再度90日間をポーランドで滞在し、ドイツから日本へ出国しようとすれば、シェンゲン協定での「あらゆる180日間で最大90日」を超過しているので、完全なオーバーステイ扱いになってしまいます。仮に日本・ポーランドの2国間協定を主張しても、ずっとポーランドに滞在していた証明ができなければ説得力はありませんし、そもそもドイツの出入国審査官が2国間協定を熟知しているわけがありません。

同じことはどのシェンゲン領域内でも起こりえますし、また、別記した列車や市内でのパスポートコントロールの際にもオーバーステイと見なされる確率は大です。ポーランド国内であれば、在ポーランド大使館が上記ホームページ上で配布している2国間の取極め文(日本語・ポーランド語併記)を携帯することで、トラブルを避けることはできるかもしれませんが、ポーランド国外においては全く役に立ちそうにありません。例えばドイツの審査官にこの文書を見せても何も理解できないのは明らかでしょう。(文書には署名・捺印もないのでそもそも公的文書と扱われるかも疑わしい)

ということは、いかに日本・ポーランドの2国間協定が有効であったとしても、シェンゲン協定に則ることが最も安全で確実であるといわざるを得ません。仮にそれ以上の滞在がどうしても必要な場合は、日本からポーランドへの出入国はシェンゲン領域外である、イスタンブールやドバイ、モスクワ経由などを利用するのが無難でしょう。これらの注意点等は、在ポーランド日本国大使館のホームページでも細かく説明されていますが、実際に渡航・滞在するのはあなた自身です。きちんとリスクを把握した上で、旅行・滞在計画を立てることを強くお勧めします。