暖冬かも?と言われていた今年のポーランドですが、先週辺りから急に冷え込んできました。現在のワルシャワの日中気温はマイナス12度、ポーランドで最も寒いといわれているスヴァウキ(Suwałki)ではマイナス20度近くまで気温が下がったそうです。
さてこれだけ寒くなると交通関係に問題が出てきます。ただ気温が下がるだけならまだ良いのですが、雨が降ると大変です。というのも、この気温の低さで降った雨が凍り、道路が氷で覆われてしまうからです。歩行者も自動車も、うっかり気を抜いて滑らないように細心の注意を払わなければなりません。自動車だけでなく、トラムや電車の線路も凍ってしまいます。
ポーランドの多くの県で週末降った雨は、週明けの電車のダイヤに大きな影響を与えました。線路が凍ってしまったために多くの電車に遅れが出ることになってしまいました。中でも記録的なのがプシェミシル(Przemyśl)からシュチェチン(Szczecin)までno
851kmを走る列車です。日曜日の16時に出発した列車は、月曜日の朝9時過ぎにシュチェチンに到着する予定でしたが、朝7時の時点で既に3時間の遅れ、最終的にはなんと400分遅れで到着したそうです。
このことに対して、出演中のテレビ番組でコメントを求められた国土交通省大臣であり副首相のエリジビエタ・ビエンコフスカ氏は「乗客の皆さんに言えることは、ごめんなさいね、でも今はこういう天気なんです」と発言しました。司会者の「電車の中で何時間も待たされた乗客はその発言には納得しないのでは?」との発言にビエンコフスカ氏は「わかっています、これはメディア向きの発言ではないかもしれないけれど、ポーランド人なら今ポーランドは真冬ということがわかっているでしょう。そして冬のポーランドはしばしば線路上で何かが起こる、例えば凍ったりするんです。大事件が起きたというつもりはありません。2台の列車の乗客の方達に不便なことが起きてしまいましたが、残りの3998台の列車は遅れも無く到着したのですから」と続けました。
彼女のこのコメントへの反応はさまざまなものでした。「彼女の言っていることは正しい」「天気が悪かったのは彼女のせいではないのだから、謝る必要は無い」「正直な意見だ」といったものから「謝らないのはおかしい」「政治家なのにテレビでsorryと言うとは何事だ(ポーランド語の“ごめんなさい”は“przepraszam”ですが、若者は日常会話の中で英語の“sorry”を使うことも多くあります)」といったものまで様々でした。
しかしPKPポーランド国鉄は、週明けにかけて1時間以上の遅れのあった列車は82台と発表しました。その後も鉄道職員達は線路やその周辺の氷の撤去作業を行いました。また緊急対策チームが集められ、また同じ事態になる前にすぐ行動できるよう、線路の状態を監視しているそうです。