ここに来る前に読んだ海外生活の本の中に、「欧米では大人と子供の領域ははっきり区切られている」とありました。つまり、基本的に大人の場には子供は連れていかない。そして、公共の場では周りに迷惑をかけぬよう、厳しくしつけられている、というものでした。なので、私の頭の中には、海外生活イコール「うぎうぎ騒ぐ子供はベビーシッターに預け、おしゃれに着飾った親がレストランやコンサートにばんばん出かける」ほぉ、イージーよのうというイメージがありました。
ところが、ここワルシャワではその境界線はちょっぴりあいまいなようで、コンサートやおしゃれなレストランでも結構子供を見かけます。特にジャズコンサートで、演奏中にふらふらと舞台前に出ていって踊るファンキーな子供をみたときには、ぶったまげました。親も特にとめようとせず、飽きるまでほっとくというすごさ。高級レストランでも、予約時に確認する必要がありますが、「土日ならいいよ」と言ってくれるところがあって、驚きました。実際、日曜日に子連れで行ってみたところ、他にも子連れがおり、ほっとしたのを覚えています。(この時はたまたま娘が昼寝中で、優雅な一時を過ごせましたが、そうでなければ、やはり冷や汗かきかきの食事だったでしょう。)
ポーランド人に聞いてみると、これはまだベビーシッターという概念がまだ新しいという事実からくるようです。また、シッターの時給も高く、一般の人には雇いづらいし、一時的に預かってくれる託児所もないと聞きます。(もちろん保育園はあるが、あくまでレギュラーベース。個人で自宅に預かるという人はいるらしい)
マリオットホテルのビュッフェ(2Fのシカゴグリル)は、その辺を考慮してか、別室(一番奥のテープルの右手のドアが入り口)に子供用の遊具があって、遊べるようになっています。また、クリスマスなどの時期には、特別に子供用の料理や低いテーブルや椅子などを用意しているそうです。ああ、ありがたや、ありがたや。
ポーランドはきっとどこでも割と子供に甘い感じと思いますが(1年住んでみただけの私の感想なので、間違っていたらすみません)、フォーマルなパーティには、招待する側に「ぜひに」とでも請われない限り(まぁ、まずないだろうけど)、子連れで出かけないほうが無難かも。さすがに子供の姿を見かけたことはありません。