1945年1月27日、ナチス・ドイツに作られたアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所がソ連軍によって解放されました。あれから70年を迎える今年、存命中の元収容者やその家族、また各国首脳らが1月27日の式典に参加しました。この70年、元収容者の人たちはどんな思いを持って生きてきたのか、またこの負の歴史を繰り返さないために各国機関はどのような努力をしてきたのか、日本テレビ報道部が現地取材を行いました。この様子はNews Zero及びNews Every.で放送されました。
取材中、何人もの元収容者にお話を聞くことができました。それぞれ悲惨な体験をされ、戦後フラッシュバック等の後遺症に悩んだ人もいましたが、皆口をそろえて「この悲劇を忘れてはいけない。でも憎みあってはいけない。きちんと話し合って、お互いを尊重しなければいけない」と言っていたのが印象的でした。
アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所は現在博物館になっています。2014年の訪問者数は150万人を越え、過去最高を記録したそうです。ポーランド人だけではなく外国人も多く訪れます。博物館は展示以外にもセミナーやワークショップなどの教育活動に力を入れていて、最近ではインターネットを使用したE-learningも開始しました。
たった70年くらい前にこのような惨劇が起きていたという事実に声も出ませんでした。現在世界で起きていることを考えると、元収容者たちの「憎みあってはいけない」という言葉が深い意味を帯びてくると感じました。