アンジェイ・ヴァイダ氏が死去

ポーランドを代表する映画監督のアンジェイ・ヴァイダ(ワイダ)氏が2016年10月9日夜亡くなりました。90歳でした。

ヴァイダ監督は1954年に「世代 (Pokolenie)」でデビュー。56年に発表した「地下水道 (Kanał)」(第10回カンヌ国際映画祭審査員特別賞)、58年の「灰とダイヤモンド (Popiół i diament」(第20回ヴェネツィア国際映画祭国際批評家連盟賞)と合わせて「抵抗3部作」と呼ばれており、国際的な評価を受けました。

1976年には労働英雄となった男の末路を描いた「大理石の男 (Człowiek z marmuru)」を発表。その続編に当たる、80年代に始まったポーランドの抵抗運動”連帯”を描いた「鉄の男 (Człowiek z żelaza)」は第34回カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞しました。

1989年からは1991年までは上院議員を勤めました。2000年には第27回アカデミー賞で名誉賞を受賞。高齢ながらも精力的に映画製作を続け、2007年にはソ連によるポーランド人将校大虐殺をテーマにした「カティンの森 (Katyń)」、2013年にはポーランドの民主化運動指導者でのちに大統領となったレフ・ヴァウェンサ(ワレサ)氏の半生を描いた「ワレサ 連帯の男 (Wałęsa. Człowiek z nadziei)」を発表しました。最近では最新作「Afterimage (Powidoki)」の完成が発表されたばかりでした。この作品は2017年アカデミー外国語映画賞のポーランド代表作品として出品されることが決定しています。

また日本美術や日本について造詣が深かったことでも知られており、1997年に京都賞(思想・芸術部門)を受賞。賞金を基金として、1994年にクラクフに「日本美術技術博物館 マンガ (Muzeum Sztuki i Techniki Japońskiej Manggha」を設立しています。

(写真はwww.tvn24.plのものです)