KFCは東欧自由化後の1993年にポーランドに進出した。
当初はピザハット(PIZA HUT)との共同店舗を展開していたが、これはオーナー(現AmRest社)が同じだったことに起因している。現在は双方共に別の独立した店舗を持っている。
また同社は、1998年にチェコのKFCを吸収し、2000年に合弁している。その後もポーランド国内のバーガーキング、ハンガリーのKFC及びピザハットなどの経営権を取得し、2007年にはブルガリアとセルビアに初めてのKFC店舗をオープンした。この年、スターバックスとの提携により、ワルシャワとチェコのプラハに初のスターバックス店がオープンした。現在、各店舗のロシア進出を進めている。同社の本部はポーランド・ヴロツワフ市にある。
ポーランドの鶏肉は安価でおいしいとの定評があるが、上記のようにオーナーが一緒ということもあり、チェコなどのKFCはポーランドの鶏肉やジャガイモを使っていると言われている。同様にヨーロッパ内のマクドナルドでも、ポーランドの鶏肉、ジャガイモが使われているというが、担当者が不在のため、真偽は確かではない。
現在、ポーランドのKFC店舗は176、その多くは各都市の一流デパートや大ショッピングモールのフードコートになどに展開されている。その他の店舗は高速道路、または幹線道路に面したガソリンスタンドなどに隣接され、24時間営業で店内での飲食、テイクアウト、そしてドライブスルーの各サービスを提供している。また、首都ワルシャワを含む4都市ではKFCの宅配サービスも行われており、電話1本で注文ができる。その他、街の中心部にある店舗では、夜中1時、週末は朝5時まで営業している店舗もある。
基本的にポーランド人は、KFCを含めたファーストフードが大好きと言えるだろう。ヨーロッパやアメリカへの移民が多いポーランドでは、社会主義時代からハンバーガーやピザに人気があった。東欧自由化後にはファーストフード店や宅配ピザなどが乱立した。例えば、当時はバーガーキングの勢力が強く、各都市の映画館に隣接して店舗を増やしていったが、マクドナルドの巻き返しと映画館の低迷により停滞していった。また、多くの宅配ピザ店などが起業されたが、大手のチェーン店として吸収されていった。
前記したように、KFCは当初ピザハットと店舗を共有していた。ただし、この場合、ピザハットでは座って食べられるレストラン形式、KFCは立ち食いやテイクアウトを主としていた。
ポーランドでは鶏肉を含めた家禽類は「肉」とは言わない。このため、豚肉などよりも一段低く見られる傾向はあるものの、安価でおいしい鶏肉としては定評がある。脂肪分の少ない鶏肉で作られたソーセージや加工品は、ヨーロッパやアジアにも輸出されている。
KFCスタイルのフライドチキンはとても人気があり、現在は宅配ピザなどでも定番のメニューとしても定着しつつある。この現象はKFCの影響といっても過言ではないだろう。
また、料理関係の書籍や雑誌などでも、KFC風のフライドチキンのレシピが掲載されている。
日本にはないポーランドのメニュー