ポーランドで冬時間が廃止になる?

ポーランドでは年に2回、夏時間と冬時間で時間が変わります(”ポーランドの時差と夏時間・冬時間”参照)。夏時間と冬時間の変更は3月の最終日曜と10月最終日曜の午前2時に行われますが、冬時間から夏時間へは、1時59分59秒の次が3時00分00秒(1時間早く)になり、夏時間から冬時間へは2時59分59秒の次が再び2時00分00秒(1時間遅くなる)になります。慣れてえば生活に大きな影響はありませんし、現在はスマホやコンピューターも自動的に時間を設定してくれるので、目覚まし設定し忘れて遅刻!なんていうこともめっきりなくなりました。

その冬時間ですが、ポーランド農民党(Polskie Stronnictwo Ludowe)は2017年10月、ポーランドの冬時間を廃止する草案を提出。施行されれば2018年より冬時間への移行がなくなります。ポーランド農民党党首のヴワディスワフ・コシニャク=カミシュ党首によると、夏時間から冬時間への変更は睡眠や集中力の問題を引き起こすほか、運送業者にとっても悩みの種なのだそうです。この草案は国会ですべての党から支持を受け、改正に向けて動き出すことになりました。

しかし、そう簡単にはいかないようです。というのも、この冬時間廃止の前に立ちはだかったのは2001年1月19日に制定された、EUのサマータイム規則。欧州委員会は2014年サマータイムについて分析し、「全ての加盟国において時間を合わせることはお互いの市場のためにも必要不可欠である」とし、「もし加盟国のうちのどこかの国が夏時間から冬時間への移行、もしくは逆の移行をしないと決定した場合、市民そして企業の不便と混乱を招くだろう」としています。

というわけでポーランドで冬時間が廃止になるのかはまだわかりません。ちなみにWirtualna Polskaが10月に行った「冬時間⇔夏時間への移行の廃止は必要か」というアンケートでは「はい」と答えた人が20%、「いいえ」が62%、「わからない」が18%でした。

冬時間から夏時間への移行は現在世界70か国、ヨーロッパではアイスランドとベラルーシを除くすべての国で実施されています。ポーランドでは1977年より実施されています。