ワルシャワはポーランドの首都であり、人口約170万人、総面積約515平方kmのポーランド最大の都市です。1596年にジグムント3世の政策によりクラクフからワルシャワへ宮廷が移転、その後首都となりました。第3次ポーランド分割後の1918年、ポーランドは独立国家となりワルシャワはまた首都と定められました。
しかし1939年のナチス・ドイツがポーランドへ侵攻したことによりワルシャワはナチス・ドイツの占領下に置かれます。市民はナチス軍に監視され、ユダヤ人たちはゲットーに集められた後、国内の絶滅収容所へと送られました。1944年8月1日にはポーランド国内軍と市民による、“ワルシャワ蜂起”と呼ばれる武装蜂起が起きます。63日間に及ぶ長い戦いでは約1万6千人の国内軍兵士、そして15-20万人の市民が犠牲になり、ワルシャワはほぼ全土が瓦礫となりました。1945年1月にソビエト軍が進撃を開始しドイツ軍を排除すると、ポーランドはポーランド人民共和国としてソビエトの衛星国家となり、ワルシャワはその首都となりました。さらに1989年ポーランドが民主化してポーランド共和国が誕生し、ワルシャワは首都と定められました。
それではワルシャワの見所にはどんなものがあるでしょうか?まずは何と言っても旧市街(Stare Miasto)。古くて素敵な町並みを楽しむことができますが、実はここは第2次世界大戦後に市民たちが昔の町並みを「壁のひび一本に至るまで」忠実に再現したものです。その「破壊からの復元及び維持への人々の営み」が評価され、1980年ユネスコ世界遺産に登録されました。クラクフ郊外通りから見る旧市街の風景はまるで絵はがきのようです。右手にある王宮(Zamek Królewski)は現在博物館となっており、ポーランドの王様たちの暮らしぶりだけではなく、レンブラントなどの絵画やワルシャワ復興についての展示も見学することが出来ます。
王宮を北側に歩いていくと人魚(Syrenka)が目印の旧市街広場(Rynek Starego Miasta)があり、またまっすぐ歩いていくとバルバカン(Barbakan)があります。それを通り抜けると新市街(Nowe Miasto)へ。ここにはキュリー夫人博物館(Muzeum Marii Curie-Skłodowskiej)があります。キュリー夫人というとフランス人だと思う人も多いのですが、実はワルシャワ生まれワルシャワ育ちの生粋のポーランド人なんですよ。
そしてワルシャワが誇るもう一人の有名人といえばショパン。ショパンについて知りたいならぜひショパン博物館(Muzeum Fryderyka Chopina)へ。マルチメディアを駆使した展示ではこの偉大な作曲家について知ることが出来ます。その他にも彼の心臓が安置されている聖十字架教会(Kościół Św. Krzyżą)やショパン像のあるワジェンキ公園(Łazienki Królewskie)もはずせません。その他のショパンゆかりの場所についてはこちらをご参照ください。
その他にもヤン3世ソビエスキ王の夏住居だったヴィラヌフ宮殿(Pałac w Wilanowie)や、歴史に興味のある人ならワルシャワ蜂起博物館(Muzeum Powstania Warszawskiego)やポーランドのユダヤ人博物館(POLIN)、ワルシャワ博物館(Muzeum Warszawy)も見所がいっぱいです!お子さん連れの方には遊びながら楽しく科学を学べるコペルニクス科学センター(Centrum Nauki Kopernik)もおすすめ。ワルシャワを一望したい人は文化科学宮殿(Pałac Kultury i Nauki)の展望台に登ってみましょう!
ワルシャワについては2019年NHK「世界ふれあい町歩き」で放送されました。機会があればぜひご覧ください!