エルブロング (Elbląg)

ワルシャワから北方300キロの距離にエルブロングという町があります。人口は約12万4000人。町が作られたのは1237年で、ドイツ騎士団がエルブロングに城郭を建てたことから始まります。14世代には重要な港町として、貿易も栄えていました。ポーランド分割の際にはエルブロングはプロイセン領となりました。造船所で潜水艦と機関車が組み立てされました。1945年エルブロングは再びポーランド領となりましたが、長い戦いのせいで町の65%が瓦礫と化していました。特に旧市街は無残なものでしたが、住民たちが力を合わせて町を再建して行きました。他の大都市に比べると観光客もそう多くはないため、のんびりと古い町の雰囲気を満喫できます。グダンスク(Gdańsk)やマルボルク(Malbork)からは1時間ほどで行けるので、ちょっと足をのばしてみてはいかがでしょうか?

エルブロングのみどころ:

聖ミコワイ教会 (Kościół św. Mikołaja) : エルブロングで最も古い、高さ97メートルのゴシック式教会。火事や戦争により何度も再建されました。

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市場門 (Brama Targowa)エルブロングでも人気のある観光ポイントです。14世紀に建てられた門は、要塞の一部だったものです。第二次大戦の際に破壊されましたが、戦後に建て直されました。門の上からはエルブロングの素晴らしいパノラマを楽しむことができます。

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旧市街 (Stare Miasto):エルブロングに来たら必ず行きたいポイント。戦後に新しくつくられた建物は戦前と同じように建てられているので、100年前の旧市街と同じ雰囲気を味わうことができます。さまざまなお店が並んでいるので、こまごまとしたお土産などの買い物を楽しむことができます。旧市街のすぐそばにはエルブロング運河が流れています。エルブロングの旧市街はヨーロッパの中でも最大の、考古学発掘調査の場所でもあります。

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エルブロング運河(Kanał Elbląski): エルブロングには1860年から運行している、世界で唯一のインクラインがあり、現在は運河のクルーズを楽しめます。運河の水位の差は100メートルほど、速度調節には運河のそれぞれの場所の水位差と上流から下流に流れる水の力を使用しています。船は特別に設計されたものでロープにつながれており、そのロープは水が落下する力で加速する柱と繋がっています。ロープで船を引っ張るための水力は水車によってつくられています。周りの美しい景色も魅力のひとつです!

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ギャラリー EL美術センター(Galeria EL) 以前教会だった建物に作られたギャラリーです。古いゴシック式の教会の壁と、展示されてる近代美術が対比をなして、なかなか興味深い雰囲気を醸しています。

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ピエカルチック神話(Legenda o Piekarczyku) 1521ドイツ騎士団とポーランド王国の戦争がありました。34日の夜、ドイツ騎士団軍がエルブロングに攻撃を仕掛けてきましたが、住民はみな寝ていました。そこでピエカルチック(Piekarczyk)という若いパン職人は、自分の町を守るためにパン作りに使う道具で門の縄を切り、敵が門の中に入らないようにしました。そのことからピエカルチックはエルブロングの勇気のシンボルとなっています。

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(写真はelblag.euのものです)