まいど。ポーランドは国中雨模様で寒いです。こんな天気だとお散歩行くのも億劫ですね。うめちゃんもあんまり外に出たがらず、ベッドの上でゴロゴロしてることが多いです。
さて、今回は私とうめちゃんの出会いについて書いてみたいと思います。興味ない?まあひとつ聞いてくださいよ。うめちゃんとの出会いは3年近く前だったか、ある夏の日の朝でした。その頃人生大震撼中だった私、その時もまあいろいろそのせいでやらなきゃいけないことがあって、早朝家を出てバス停で本を読みながらバスを待ってたんですね。そしたら道路の向こうでちっこいワンコがひとりでウロウロしてるのが見えたんです。ポーランドではリードなしでお散歩する人がとても多いので、その時もそんなもんだろうと思ってまた読書に戻ったのですが、しばらくして顔を上げるとやっぱりそのワンコはひとりでウロウロしてたんです。あれれ、この子捨て犬かしら・・・
というのも私がその頃住んでいた場所は横に大きな原っぱがあって、そこは犬がよく捨てられるところだったんですね。確かにポーランド人にワンコ好きは多いですが、捨てられる犬も多いのが現状。私も車の中からワンコが放り出される瞬間を見てしまったことがあります(駆け寄る間もなくそのワンコは次に来た車に跳ねられてしまったのですが、その運転手が慌ててワンコを乗せてお医者さんに連れて行ったことが何よりの救いでした)。
捨て犬かもしれないけどもしかしたらひとりで散歩してるだけかもしれないし(こういうこともたまにあります)、とりあえず助けたほうがいいよね、でももうすぐバス来ちゃうし・・・でも助けたほうが、でもすでに遅刻ギリギリだし・・・どうしよう・・・
と考えを巡らせていたその時。急ブレーキの音と、「キャン」というワンコの鳴き声が聞こえたのです。はっとして声のするほうを見てみると、さっきのワンコが道路をパニック状態で走ってるではありませんか。バス停には他にもたくさん人がいたのにみんな無反応。その瞬間、自分の中でもうひとりの自分が「アンタ犬飼ってんでしょ?犬好きって公言してるけど、それって自分ちの犬さえ良ければいいってことなの?もし子供が車に轢かれそうになったらみんな急いで駆け寄るんでしょ?この子は知らない犬だから放っといていいってことなの?それって偽善じゃね?」って言ったんですよ。
だよね。人間もワンコも同じじゃん。気になるんなら行って来いよ。というわけで必死になって走るワンコの後を走って追いかけ、追いついたところで「待って!」と叫んでみたんです。そしたらワンコは走るのをやめて道の上に座り込み、そしてプルプル震えながら目にいっぱい涙を溜めて(嘘つけーってよく言われるんですけど、ほんとです)、私を見たんですね。可哀想に、怖かったね、お医者さんに連れて行くからね。と思って抱き上げようとしたんですが、体が硬直してるから立ち上がることも出来ないの。しょうがないので当時の同居人に車を出してもらって、無事にお医者さんに連れて行くことができました。
幸いワンコに怪我はありませんでした。落ち着いてよく見てみると、首にはトゲトゲがいっぱい付いた金属製のぶっとい首輪、爪は一度も切ったこと無いんじゃないかという位伸びていて、肉球に刺さっているものさえありました。こんなちっちゃい犬なのに・・・獣医さんで首輪も爪も切ってもらい家に連れて帰りましたが、あまりにショックが大きかったようで3日くらいはご飯も食べず、部屋の隅に固まっていました。
その後ワンコは1週間くらいすると(おそるおそるですが)自分ひとりで庭に出たりするようになり、私達のところにも寄って来るようになりました。当時の私の経済状態と精神状態がワンコどころじゃなかったので最初はすぐシェルターに預けようと思っていたのですが、なんだかんだでワンコは私と一緒にいることになり、うめちゃんという名前がつけられました。
月日が流れ、うめちゃんは当時と比べ物にならないくらい表情も豊かになり、人懐っこくなりました。この話をするとよく「うめちゃんは拾ってもらえてラッキーだったね」って言われるのですが、私の人生で一番しんどかった時期にうめちゃんは一緒にいてくれたわけで、結果的に私の方がラッキーだったんじゃないかと思うのです。なんかもう、自分の人生にうめちゃんがいることが当たり前になったというか、まあ家族みたいなもんですよね。
あの時リアクションして良かった、これも何かの縁だったんだろうなと、ベッドの上でおなか出してグースカ寝てるうめちゃんを見るたびに思うわけです。
長文駄文失礼致しました。