ちょっと遅くなりましたが明けましておめでとうございます。 今年もレシピワールドをお料理の参考にしていただければ大変嬉しく存じます。どうぞよろしくお願い致します。 さて、年末から牛肉問題がヨーロッパ中で話題になり、食卓から牛肉が消えた家庭、全く変わらない家庭などいろいろあると思いますが、我が家の場合は言葉があまり良くわからないので、身近で何が起こっているか分らず普通にくらしてました。 ところがあちこちで牛肉のことが話題になるので娘の学校の母親に聞いたところほとんどパニックのようで、チキンと七面鳥以外のお肉は今の所食べさせないなどという返事で、わたしも遅れ馳せながら牛肉をひかえています。 全く言葉がわからないのは一方では幸せなことだと思いました。牛肉の問題を知ってしまうと、それまではおいしく食べられていた同じ物が突然「大丈夫かな…」と言う風になるわけですから。私もあまりこの国の実情が分らないのでポーランド語のできる友達(日本人)のCさんに電話をして聞いてみました。 彼女はポーランド人のご主人との間に3歳の男の子と8ヶ月になる女の子がいて、ポーランド語もバッチリ。彼女はポーランドの牛肉は大丈夫なのであまり気にしていないとおっしゃっていました。とらえかたは人それぞれですが、しかしながら毎日朝昼晩と3回食べなくてはならないわけですから献立に困ります。 以前はワルシャワに住んでいたので、子供が同じ年ということもあって公園で一緒に散歩をしながらいろいろ話せたのですが、彼女はポーランド北部、私は南部へと引越しした為会う事もなくなりました。今回の問題で久しぶりにいろいろ話したところ、彼女は既に魚料理をいろいろと工夫していらっしゃるようなので、今回大変参考にさせていただきました。 私もこれを機会に日頃敬遠していた魚に挑戦してみました。和食に関してはそれぞれの家庭の味があると思いますので調味料は好みで加減して下さい。また、今回はここのマーケットで買える普通の酢を使っているので、日本の酢の場合は少し分量が違ってくるかもしれません。その上に私は関西出身なのでどちらかというと関西風になっていると思います。 ★鯖の酢醤油あえ★ さばの燻製(Makrela Wedzone) 1匹 チャイブ細かく刻んだもの 大さじ2 だし汁 100cc (100ccに本だしこさじ1/2) *酢じょうゆ* しょうゆ 100cc 酢 100cc 又は、生姜のおろしたもの少々 1) さばの身を骨をから取り外し細かく手でさばいて、お皿に盛りチャイブをふりかける。 2) 出し汁しょうゆ酢を合わせてよく混ぜ合わせる。たれをつけていただく。 **このたれはたくさん作っておいて、残ったら後日春雨サラダやきゅうりのサラダのドレッシングとしても使えます。 又は単に生姜じょうゆでもおいしいです。私個人の好みは生姜じょうゆです。 ★ニシンの南蛮漬け★ ニシン(Sledz Tusza) 小さいもの10匹 **これは大きさが10センチ程度でいわしのようですが実はニシンです。 小麦粉 適量 揚げ油 適量 *漬け汁* 酢 100cc だし汁 100cc 砂糖 大さじ3 一緒に漬け込む野菜 (玉ねぎ、人参、レモンは薄切り、チャイブ、パセリはみじん切り) 1) 漬け汁を作る。漬け汁の材料を合わせて火にかけ軽く沸騰させ、冷ましておく。 2) ニシンは頭と内臓を取った形で売っているので、冷水で外側と内臓の部分をよく洗い、水気を切っておく。 3) 中骨に沿って親指で尻尾の方に一気に開く。中骨を手で取り除き腹骨を包丁で皮ごと取り除く。こういう魚は柔らかいのでよく切れる包丁を使わないと、身がぐちゃぐちゃになるので、砥いでから使うとやり易い。小骨は酢に漬けておくと柔らかくなるので、少々残っていても良い。 4) 塩、コショウをして小麦粉でまぶし、油で揚げる。 5) 冷めた漬け汁に揚げたての魚を入れる。じゅっと音がするほど熱いものがよい。 6) その上に漬け置き野菜を入れて一晩冷蔵庫にいれておく。 **ふたつきのタッパーに入れて、時々がさがさと漬け汁が全体にかかるようにすると、味が染み込みやすい。 **買った日に料理ができない場合は、少なくとも3)までの処理をし、塩コショウをして冷蔵庫に入れると魚が痛みにくい。 魚の場合、名前さえわかれば何とか料理の方法もわかるので、店先に出ているポピュラーで日本語になるものをあげておきます。 Sledz ニシン Sledz a la Maties 塩漬のニシン Makrela さば Dorsz たら Halibut オヒョウ Naved Zabnica アンコウ Fladra かれい Losos Balt さけ Pstrag ます Trada 鯛 Patroszony 内臓を取り除いた魚 Tusza 頭と内臓を取り除いた魚 Filety 日本でいう3枚おろし、小骨はまだまだあるので料理の前に取る。 Wedzone 燻製 魚は大きなスーパーでも週1回くらいの入荷なので、店の人に魚が何曜日に入るかを聞いておいて、そのよう日をなるべく買い物日にすると、何度も足を運ばずに新鮮な魚が食べられます。しかしながらここはポーランドなので、予定の日に入らないことは多々あります。イライラしないで気長に待ちましょう。 魚料理で困るのはなんと言ってもにおい。私の主人はドイツ人なのでにおいには大変うるさく毎回頭を悩ましますが、日本人の奥様を貰ったので半分はあきらめ、私はおいしく作って満足させるようお互いに努力していますが…。 まずは魚を買ってその日に料理ができない場合は、袋のまま冷蔵庫に入れるのではなく、陶器の入れ物に移し替えて陶器のお皿でふたをして保存すると翌日もそれほど冷蔵庫の中はにおわずにすみます。次は、魚は大きな容器に水を貯めて洗い、洗った水は台所でなくトイレに流します。 また、こちらの建物は保温性が第一なので密閉されて、においが長い間部屋に残ります。お料理中は台所の窓を開け換気扇をつけるのは勿論、他の部屋へのドアは全部閉める。その後まだかなりにおう場合はろうそくの火をしばらくつけておく。時間があればケーキを焼くなり、りんごのムース(アップルパイ参照)なども簡単にできるので煮ていると部屋の匂いはずいぶんよくなります。 また、皆さんも何か工夫していらっしゃることがあれば遠慮無くヤッポランドまでメイルをくださいね。お待ちしています。 関連記事 / Related posts: マダムKのレシピワールド […]
年末、年明けと気ぜわしい上に、下の息子が文字通り目が離せなくなってしまったため、息抜きにしているこの子育て日記すら書けませんでした。 男の子って、1歳ちょっとすぎでもこんなに手がつけられないか!?というほどすごい。おサルな上に、凶暴ときたもんだ。気に入らないことをすると、姉だろうが、親だろうがバシバシどつきにくる。少々しかった位じゃ、全くこたえていない。うーん。(親に似たか?) 罰として、ベランダに出すか!というほど、2月に入って外はようやく寒くなり、雪も積もりました。ポーランド人も「今年は冬は来ないのか」と言っていたし、私自身も「このくらいの寒さは慣れちゃったわ、余裕ねっ!」と思っていたけど、さすがに零下5度くらいになるとキますね。 まず、冷蔵庫がわりにしていたベランダが使えなくなりました。段ボールの中に新聞紙にくるんだやさいを入れたり、ビールを入れておいたりしていましたが、零下だと凍ります。(当たり前)ウォッカなら凍らないし、零下の方がおいしいので、ぜひおためしあれ。(だから、ポーランドとかロシアでウォッカ飲むんだろうな…) ところで、今月のお題「添い寝」ですが、目下うちの重大問題の1つとなっています。 というのも、下の息子が大きくなり、ベビーベッドだと狭くて寝返りがうてず、夜中に泣くので、しばらくベッドで親子川の字で寝ていたのですが、ある日とうとう落っこちてしまいました。 今までも落っこちたことは2,3度あったのですが、頭とか額とかでセーフ。(中身は大丈夫?だからおサルなのかも)でも、今回は顔面打ち。口の中と外を歯で切ってしまい、大出血。最初は唇の下に穴が開いてしまったかと、もう失神寸前。真夜中なので、病院に電話して事情を説明すると、「落ち着いて。そのくらいの傷なら縫う必要はありません。血は必ずとまります。明日の朝来てください」とのこと。 「あーあ、また親の責任だ…」と泣きわめく子をあやしながら、後悔の嵐・嵐・嵐。そういえば、上の娘がこのくらいの年にはシングルベッドを二つつなげて、片方は壁につけ、もう片方には柵をとりつけていたっけ。それでも、どうやって落ちるのか、30cmくらいの隙間から、落ちるときには落ちていた。 欧米の親が絶対に添い寝をせず、ほんの赤ん坊の時から1人で寝るようにしつけるのは、みんなふとんじゃなく、ベッドの生活をしているところにあるかも。「自立」というキーワードのみ一人歩きしている感がありますが、実際のところ、原因はベッドではないでしょうか。 ここに来て3年がたとうとしています。インターネットが普及し、世界中のことを瞬時に知ることができる一方で、読む・聞く・見る等では知り得ることのできない、暮らしてみて初めてわかる、実感できることってやっぱりあるんだなあと思いました。そういう意味でも異国に住むというのは、貴重な体験かも。ここに来て「つらいよー。帰りたいよー」とお悩みの方、そういう捉え方もあると思って、めげないで頑張りましょう! 追伸1:最後の段落を読んで「おいっ!違うだろ!問題をすりかえるんじゃない、親の責任でしょ!」と思ったあなた。大正解です。 追伸2:今回のような場合、傷口を冷やすと血がとまりやすいそうです。また、唇や口の周りはとくに出血が多いそう。落ち着いて、応急処置にあたりましょう。(「そりゃあんたや」というつっこみを入れてください) 追伸3:本当は精神衛生的に言って「つらいことはつらい」と言えると楽です。持っていき場のない方は、掲示板やメールを利用してお便りください! 関連記事 / Related posts: きのこの子育て日記:お誕生日会 きのこの子育て日記:ワルシャワは住みやすい? きのこの子育て日記:薬 きのこの子育て日記:下の子 / ベビーフード きのこの子育て日記:公園デビュー / お医者さん
12月下旬に入ってようやく零下。やっと冬が来たという感じです。天気は朝からずっとどんよりしているし、3時に日が暮れてしまう。おまけにそういう曇りの日は、ここの人は低気圧のせいだといいますが、頭もどよーんと重く何をする気もおこらなくなりがちです。そんなわけで、冬は子供も病気ばっかりと毎年ふてくされて過ごしていたのですが、これはいかんと子連れ観劇にチャレンジしてみることにしました。 そもそもオペラが冬しかやっていないのも、ヨーロッパの冬がつまらないせいではないでしょうか。退屈だから、いっちょ景気づけに劇でも見るかとか、音楽でも聴くかとかそんなのりで始まったのでは。室内楽とかだって、絶対夏にはやってなかったと思うのですが。 それはともかく、思えばおサルだった娘ももう3歳半。バレエだったら最後までもつかもと、テアトル・ビエルキ(大劇場)にチケットを買いに行きました。演目は色々あったのですが、La dolce vitaというフェリーニの映画をバレエにしたものを選んでみました。 席はもしかしたら途中で帰るはめになることを考慮に入れて、2階の35zl(=約900円)の席。悪い癖で日本の物価で考えると、申し訳ないような値段です。3席ごとに区切りが入れてあるので、迷惑をかけるとしても1人だけですみそうです。 それで準備として2~3日ぐらい前から「今度、バレエ観にいくの。おくちチャックして静かに観ないとだめなんだよ。」と何度も言い聞かせました。 当日はこっそり鞄の中にジュースとあめを入れ(本当は、席に食べ物&飲み物を持ち込むのは厳禁。外にちゃんとバーがあるので、そこで始まる前や幕間に飲んだり食べたりできる)、出発。 席はバルコニーの一番前なので、身を乗り出したら落ちそう。娘はオーケストラの練習が始まるともう興味しんしんで、前に行こうとするので怖くて足をつかんでいました。バレエは、15分ごとに場面や衣装が替わるゴージャスさで、親子2人拍手の嵐。ミュージカルのようにテンポが早いので、観客を飽きさせません。(クラシックバレエを期待した人にはいまいちだったよう。内容も大人向け。) 幕間で帰ろうかとも思いましたが、まだ観たい!というので、外のバーでジュースを買って飲んで一息。さすがに後半では少しだれていましたが、あめの力でなんとか乗り切りました。 上から下の席をチェックしてみましたが、さすがに子連れは少なく、いても10歳前後の子供のみ。席を探して娘の手を引いてうろうろしていると、「あら、小さな子がいるわねー」という感じで見られました。皆ニコニコとしていたので、非難ではなかったと思うのですが。隣の席の人には「良い子にしてたねえ」と声をかけられ、ほっとしました。 自分のことを考えると、3歳半の出来事なんてほとんど覚えていないけど、「ポーランドって何か楽しかった」という思い出ができればいいなと思っています。 <<観劇情報>> 観劇や映画情報はそれこそ毎日新聞に載っているのですが、ポーランド語がだめという人にはちょっと敷居が高いかも。まずは一番お手軽なのが、Insider。(写真中央)英語でばっちり書いてある。これでも満足いかないという方はspotkania z Warszawa。ポーランド語&英語表記。(でも、英語は付け足し程度) テアトル・ビエルキが2ヶ月に一回出しているパンフもわかりやすくて便利。(写真手前)(これはテアトル・ビエルキの出し物のみ) どこでチケットを買うかといえば、劇場で直接&チケット取り扱い店と2つのチョイスがありますが、劇場に行ってしまった方が初心者には手っ取り早いと思います。テアトル・ビエルキの場合、正面左、KASAと書いてあるところをめざしてください。 ポーランド語ができなくても、パンフレットの演目を指させば大丈夫。残っている席の中で一番良い席がよければ「ナイレプシェ」(best)と言ってみてください。(コンピューターで席の表がうつるので、わかりやすい)2ヶ月先まで予約OK。チケット発売は2週間くらい前からです。 strefa:最前列 (110zl) → スペインのテナー歌手ホセ・クーラの時は700zl!!もしたぞ。 parter:1階席 (35~65zl) amfiteatr:中1階席(30~65zl) barkon1:2階席 (23~65zl) barkon2:3階席 (13~17zl) barkon3:最上階 (12zl) *ポーランド語が話せる人は、もちろん電話で予約ができます。 個人的なお勧めは、バレエなら「クルミ割り人形」。衣装も踊りも、女の子の夢の王道を行く!という感じです。 *この記事は2001年に書かれたものです。 関連記事 / Related posts: きのこの子育て日記:ベビー服 きのこの子育て日記:キョーフの夏休み きのこの子育て日記:薬 きのこの子育て日記:ワルシャワは住みやすい? きのこの子育て日記:散歩へGO!