以前のポーランドでは、結婚する際にまず市役所での簡易結婚式を行い(日本での結婚届に当たる)、その後教会での結婚式を別に行うことが多かったそうですが、それは教会での結婚式のみでは法的な効力がなかったためでした。1998年11月25日にポーランド政府とバチカンとの政教条約が締結され、教会結婚でも法的な効力を持つようになりました。 従って最近では教会だけで結婚式をすることも普通です。カトリック教徒が80%以上と言われるポーランド当然の成り行きであると言えます。 ですが、夫婦でローンを組むため等の理由でまず市役所での婚姻を済ませ、何年か後に正式な結婚として教会で式を行うということもたまにあるようです。 結婚式の種類: ・市役所の戸籍局のみでの結婚(Ślub Cywilny) ・教会のみでの結婚 (Ślub Konkordatowy,Ślub Kościelnyと呼ばれることが多い) 結婚年齢について ・法的に結婚が可能な年齢は女性:18歳、男性:18歳である。(ポーランドでの成人は男女共に18歳) ・特別な場合には女性:16歳、男性:18歳である。(妊娠した場合など。ただし保護者の許可が必要) 一般的には20歳~30歳で結婚することが多いが、婚姻平均年齢は年々高くなっている。 市役所での結婚式 ・必要書類 1.出生証明書(新郎新婦のどちらかが日本人の場合は戸籍謄本の原本と公認通訳士によるその翻訳) 2.身分証明書 ・必要な手続き 約1ヶ月前に予約、必要な書類を市役所に申請して料金を払う。結婚式で証人となる2人の名前と、子どもが出来た場合どちらの苗字にするかを申請しなければならないので、先に準備しておくこと。 ・料金: 80zł~ ・結婚式 市役所職員の前で誓いの言葉を述べた後指輪の交換、結婚証明書にサイン。所要時間20分ほど。新婦はウエディングドレスを着る人が多いが、ワンピースなどでもかまわない。2015年より戸籍局以外でも公園などで結婚式ができるようになったが、希望する場合は特別に市役所に申請しなければならない。条件は式を希望する場所が式を挙げるのに相応しい場所であることと安全であること、1000ズウォティの追加料金を払うこと。 教会での結婚式 ・必要書類 1.身分証明所 2.洗礼証明書(Chrzest)・聖体拝領証明書(Komunia Święta)・堅信証明書(Bierzmowanie) 3.出生証明書 ・必要な手続き 結婚式の日を予約し、必要な書類を教会に提出する。結婚式前には結婚・夫婦について学ぶ教室(Nauki przedmałżeńskie)に参加し、懺悔を行う必要がある ・料金:教会側と要相談 ・結婚式 ミサの最中に結婚式が行われる感じ。日本とは違い父親が花嫁を花婿のところまで連れて行くのではなく、花嫁・花婿が一緒に入場する。神父の前で誓いの言葉を述べた後指輪の交換、証明書にサイン。所要時間は約1時間~1時間半。 結婚サービス業界: 基本的には新郎新婦が自分達で結婚式や披露宴のディティールを考えることが一般的ですが、最近ではウエディングプランナーと呼ばれる人たちがポーランドにも現れており、教会や披露宴会場の飾り付けから料理、車の手配までをアレンジすることも増えています。 ちなみに新郎新婦が教会・市役所を出るときは友人や家族達がお米や小銭をふたりに向かって投げかけることが多いです。新郎新婦は地面に落ちた小銭を拾わなければなりませんが、より多く拾った人が新しい家庭を仕切っていくことになると言われています。 (写真はsalemarzen.plのものです) 関連記事 / Related posts: ポーランドでのお葬式 ポーランドの離婚 役所での結婚式:戸籍局以外の場所でも挙式可能に
日本で離婚する場合は離婚届を役所に届けるだけですが、残念ながらポーランドで離婚するのはそう簡単ではありません。離婚するためには裁判が必要です。役所で結婚式を挙げた人も教会式を挙げた人も、裁判をしない限りは離婚することが出来ません。 もちろん個人で裁判の準備をする人もいますが、ペーパーワークが大変なため、特に外国人は弁護士に任せてしまうことも多いです。双方が既に離婚に同意している場合は1 […]
お葬式お葬式までの手順: 必要なもの: 1.死亡診断書(KARTA ZGONU)を医者からもらい、市役所の戸籍課に提出する 2.市役所の戸籍課から死亡証明(AKT ZGONU)をもらう。 教会でのお葬式のために必要となる 3.葬儀屋等に依頼し、葬式までの手続きを代行 サービス提供は広く、病院から遺体を運び、葬式まで保存し(冷蔵室)、棺桶や墓掘り、墓までの運搬などの手配する。 墓地を持っていない場合、葬 […]