日本で離婚する場合は離婚届を役所に届けるだけですが、残念ながらポーランドで離婚するのはそう簡単ではありません。離婚するためには裁判が必要です。役所で結婚式を挙げた人も教会式を挙げた人も、裁判をしない限りは離婚することが出来ません。 もちろん個人で裁判の準備をする人もいますが、ペーパーワークが大変なため、特に外国人は弁護士に任せてしまうことも多いです。双方が既に離婚に同意している場合は1度もしくは2度の裁判で判決が出ることがほとんどですが、どちらかに非があると決める場合、もしくはどちらかが離婚に合意しない場合の裁判は、平均で1年から2年かかるそうです。 離婚裁判時に必要なものは結婚証明書(odpis skrócony aktu małżeństwa)、子供の出生証明書(odpis skrócony aktu małżeństwa-子供がいる場合)、裁判を起こす人の収入を示す証明書(zaświadczenie o zarobkach osoby wnoszącej pozew)、そして裁判申請書(wniosek)です。その他に申請料として600PLNがかかります。これらを持って夫婦が住んでいる最寄の地域裁判所、夫婦が別居中の場合はどちらかの住居の最寄の裁判所で手続きをします。離婚裁判の日程は、大体申請時の2ヶ月から半年ほど後になります。ポーランド語に自信のない人は公認通訳士をお願いすることが出来ます。これは別途料金がかかります。通訳士は裁判所が選ぶので、こちらから指名することは出来ません。弁護士に全てを任せる場合は、もちろんその分の報酬を払わなければなりません。 離婚は夫婦の間に修正できない溝が出来ていること、精神的・肉体的・経済的に双方がすでに繋がっていないと判断されたときに認められます。ただ、離婚することによって未成年の子供に悪影響が出ると考えられた場合、離婚することによって社会のルールに反することがあると考えられる場合は、離婚が認められないこともあるようです。 アルコール中毒・浮気・暴力・舅姑との良好でない関係・家庭放棄・セックスの拒否等は、離婚する理由になるとされています。しかし肉体的な病気・精神病・性格の不一致・性の不一致は離婚の理由と認められていません。また年齢の違い・価値観の不一致・不妊などはグレーゾーンで、離婚の理由と認められることもあれば、認められないこともあります。 教会で結婚式を挙げた人で、再婚するときにまた教会式を挙げたいと考えている人は「結婚を無効(unieważnienie małżeństwa)」にしなければなりません。というのもカトリックでは離婚というものは存在しないからです。この場合は結婚式を挙げた教会もしくは自分が通っている教会にその旨を告げ、手続きをします。この手続きもすぐ終わるものではなく、2年近くかかることもあります。この場合に理由として認められるのは不妊・年齢(10代など若い場合)・宗教の不一致・犯罪を起こした・近い血縁関係などが挙げられます。 関連記事 / Related posts: ポーランドでのお葬式 役所での結婚式:戸籍局以外の場所でも挙式可能に
ポーランドで育児をする人にとって、お子さんの教育問題はとても大切なもの。ポーランドではどのような学校に通えるのでしょうか? ポーランドの日本人学校についてはポーランドの日本人学校をご参照下さい。 ポーランドの公立学校への入学・編入 外国人(両親のどちらもポーランド籍でない場合)として公立学校に入学・編入するのは大変困難といわざるをえません。在留邦人ではあまり例がありませんが、この場合、 […]
2013年10月18日よりシェンゲン協定が1部改正されます。 これまで、ポーランド及びシェンゲン領域内の滞在について曖昧な解釈がありましたが、今回の改正で合法的な滞在日数の換算方法が明確になりました。 これまでの解釈、問題点などはサイト内の「シェンゲン協定」をご覧ください。これをご一読頂くと今回の改正がより明確であることがご理解頂けると思います。 改定詳細に関しては、日本の外務省のホームページを […]
ポーランドにおける査証免除(ビザなし)での滞在日数は180日という期間の中で最高90日までです。年間では租税法などにより最高180日以内となっています。これ以上の滞在をする人は滞在許可証、ヴィザなどの申請が必要になります。1999年には2国間協定によりヴィザが撤廃されましたが、2007年よりシェンゲン協定加盟国となり、領域内の行き来が自由となり、出入国審査(パスポートコントロール)は行われなくなりま […]
お葬式お葬式までの手順: 必要なもの: 1.死亡診断書(KARTA ZGONU)を医者からもらい、市役所の戸籍課に提出する 2.市役所の戸籍課から死亡証明(AKT ZGONU)をもらう。 教会でのお葬式のために必要となる 3.葬儀屋等に依頼し、葬式までの手続きを代行 サービス提供は広く、病院から遺体を運び、葬式まで保存し(冷蔵室)、棺桶や墓掘り、墓までの運搬などの手配する。 墓地を持っていない場合、葬 […]
ポーランドの教育システムは1999年9月1日(新学校年度開始)から改正され、六三三制となりました。以前は小学校は7歳から8年間、普通高校は4年間、大学は5年間(医科大学は6年間)でした。新制度が導入され、小学校(シコワ・ポドゥスタヴォーヴァSZKOLA PODSTAWOWA)は6年間、中学校(ギムナジウムGIMNAZJUM)は3年間、そして普通高校(リツェウムLICEUM)は3年間となりました。義務教育は中学校までで、以前 […]
1999年2月14日以降、煩わしいビザの申請をしなくても3ヶ月間自由にポーランド国内を観光できるようになりました。 ビザの取得 原則としてポーランド国内ではできない。日本で取得してからポーランドに入国すること。 3ヶ月以内の観光及び商用 1999年2月14日以降、ビザ申請の必要なし。商用でも3ヶ月以内なら身分的には観光・商用になり、ビザが必要ない。ただし、観光・商用の身分から労働ビザに切り換えるこ […]