フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール (Międzynarodowy Konkurs Pianistyczny im. Fryderyka Chopina)は5年に一度ショパンの命日である10月17日を挟んで3週間に渡りポーランドの首都ワルシャワで開催されているピアノコンクールで、日本では「ショパンコンクール」や「ショパコン」の名前でおなじみです。 ショパンコンクールの特徴は課題曲全てがショパンの作品であることで、課題曲全てが一作曲家の作品というコンクールは世界的にも珍しいものです。このコンクールの発案者はピアニストであり教育家でもあったイエジィ・ジュラヴレフ氏です。今では考えられないことですが、第1次世界大戦後のポーランドではショパンの作品はコンサートで演奏されることも滅多になくなり、また音楽学校の教科書からも消えかけていたそうです。ジュラヴレフ氏は若いピアニスト達が自分の技術を自慢したり他のピアニストと競争しようとしているのを見て、コンクールという形式にすればショパンの作品を弾きたいピアニストが増えるのではないか、と考えたことからコンクールが始まったそうです。 第1回ショパンコンクールは1927年の冬に開催されました。出場者は8カ国から集まった総勢26人。彼らはコンクール期間中ワルシャワの一般家庭に宿泊し、そこで練習していたのだそうです。第1回の優勝者はソ連からの出場者、わずか19歳のレフ・オボーリンでした。ちなみに第1回にはロシアの大作曲家ドミトリィ・ショスタコーヴィッチも参加していたのだそうです。 その後コンクールは1932年、1937年に開催されましたが、第2次世界大戦のためにしばらく中断されることになります。再開されたのは1949年、この年はソ連のベラ・ダヴィドヴィチ、そしてポーランドのハリーナ・チェルニー=ステファンスカの2人が1位を授賞しました。次のコンクールはフィルハーモニーの修復のために6年後の1955年に開催されました。この時から現在まで、ショパンコンクールは絶えることなく5年に一度開催されており、これまでにマウリツィオ・ポリーニ、ウラディミール・アシュケナージ、マルタ・アルゲリッチ、ギャリック・オールソン、クリスティアン・ツィメルマン、スタニスラフ・ブーニン、ユンディ・リ、ユリアンナ・アヴデーエワなどの著名なピアニストを輩出しています。また2005年にはラファウ・ブレハッチが30年ぶりにポーランド人として第1位を獲得して話題になりました。 また日本人ピアニストの活躍も見逃せません。これまでには原智恵子(第3回15位&聴衆特別賞、日本人初出場者)、田中希代子(第5回10位、日本人初入賞者)、中村紘子(第7回4位、最年少賞)、内田光子(第8回2位、現在までの日本人最高位)、遠藤郁子(第8回8位)、海老彰子(第10回4位なしの5位)、小山実稚恵(第11回4位)、横山幸雄(第12回1位なしの3位&ソナタ賞)、高橋多佳子(第12回5位)、宮谷里佳(第13回5位)、佐藤美香(第14回6位)、関本昌平・山本貴志(共に第15回4位)の各氏が授賞、2015年には小林愛実さんがファイナリスト入りでした。 2015年のショパンコンクールについては「情熱大陸 小林愛実(MBS)」そして「もうひとつのショパンコンクール(NHK)」で放送されています。機会があればぜひご覧ください! (写真はpolskieradioのもの、2015年コンクールファイナルでのチョ・ソンジン氏) 関連記事 / Related posts: ポーランド国営ラジオの“ショパンチャンネル” 2015年ショパン国際コンクール予選開始 ショパンのベンチ (Ławeczki Chopina) “ショパンと彼のヨーロッパ”国際音楽祭(Międzynarodowy festiwal muzyczny „Chopin i jego Europa”) フレデリック・ショパン (Fryderyk Chopin)
2017年11月11日より、ポーランド国営ラジオ(Polskie Radio)上でショパンに特化したチャンネル“Polskie Radio Chopina”が放送開始になりました! このチャンネルではショパンの音楽だけではなく、ショパンや作品についての情報やショパンと同時代の作曲家の作品について、またショパン国際ピアノコンクールの歴代入賞者たちについてなどを知ることができます。それだけではなく、ドゥシュウニキ・ズドゥルイやワルシャワの“ […]
ワルシャワのワジェンキ公園で毎年5月から9月にかけて開催されているショパンコンサートが今週日曜より始まります!2017年の演奏者のリストは以下の通りです。 日程 12:00 16:00 5月14日 Lukas Geniušas (Lithuania) Konrad Skolarski 5月21日 Kevin Kenner (USA) Krzysztof Trzaskowski 5月28日 Antonio di Cristofano (Italy) Edwin Szwajkowski 6月4日 Michał Karol Szymanowski Karol Radziwonowicz 6月11日 Joanna Ław […]
ワルシャワ郊外のジェラゾヴァ・ヴォラ(Żelazowa Wola)にある、ポーランド生まれの大作曲家フレデリック・ショパンの生家(現在は博物館)が、2016年10月24日から2017年2月28日まで修理のために休館します(博物館まわりの公園は通常通り見学可能)。 秋以降にポーランドへの旅行を計画されている方は、どうぞお気をつけください。 関連記事 / Related posts: 2015年ショパンコンクールを聴こう! ポーランド国営ラジオの“ […]
2010年10月3日より本選の始まるフレデリック・ショパン国際ピアノコンクール。3週間ショパン漬けになれるこの音楽の祭典、現地で聴くことができれば言う事無しですが、なかなかそういうわけにもいきませんよね。実はこのコンクール、2005年よりネット配信されているのはご存知でしたか?今年のコンクールもショパンコンクール公式ページ上でリアルタイムで配信されます!また、4月に行われた予備審査の動画および音声ファイ […]
ワルシャワの夏の風物詩、ワジェンキ公園のショパンコンサートが5月17日からいよいよ開始します! 毎年5月から9月まで毎週日曜日の12時と16時にワジェンキ公園のショパン像の下で開催されるこのピアノコンサートは、1959年より続く歴史あるもので、今年で56回目を迎えます。入場無料とあり、音楽愛好家や観光客だけではなく、お年寄りや若者までが集まり思い思いにショパンの音楽を楽しむ、夏のワルシャワ市民のお楽しみと […]
2015年はショパン国際ピアノコンクールの年です。ショパンコンクールは5年に一度開催されるコンクールです。 4月13日から24日まで、ワルシャワフィルハーモニーで予選が行われており、160名のピアニストが演奏しています。この予選に通過した80名のピアニストが10月の本選に出場できるとのことです。 公式サイトがありました。 www.chopincompetition2015.com YouTubeで予選を見ることができます。 www.youtube.com/Chopin2 […]
5年に一度ポーランドで行われるピアノ音楽の祭典、ショパン国際ピアノコンクール。2015年10月1日から行われる第17回目のコンクールに向け、4月13日から予選が行われます! 予選にはDVD審査を突破した、世界中から集まった160人が参加します。今回予選に参加する日本人は25人。この予選を突破した80人が10月3日より始まる1次審査に進むことが出来ます。 予選は4月13日から24日まで、ワルシャワ・フィルハーモニーホールのSal […]