ポーランド料理は日本人の口にもあうおいしいものが多いのですが、その中でも「おばあちゃんの味」の代表格と言えばロスウ(Rosół)です。これはコンソメスープのことで、一般的には鶏肉もしくは鶏がらと野菜を煮て作りますが、味に深みを出したい場合は牛肉や七面鳥を入れたりします。とても体が温まるので、ポーランドでは風邪をひいたらロスウを食べるといいと言われています。 ロスウを作るのはとても簡単。まずヴウォシチズナ(Włoszczyzna)と呼ばれる野菜セットと骨付き鳥肉を用意します。鶏がらだけでもいいですが、肉がついている方が味が濃くなります。両方入れてもOKです。鶏がらはポルツィア・ロソウォヴァ(Porcja rosołowa)という名前でお肉屋さんやスーパーで売っています。ヴウォシチズナは人参・セロリの根・パセリの根・長ネギ・パセリからなるスープ用ダシ取りセットとでもいいましょうか。玉ねぎが入っていることもあります。 お肉は水洗いしてから大きめのお鍋に入れ、そこに冷水をお肉がかぶるくらいまで注いでから塩をひとふりして煮ます。煮込んでいる間に野菜の準備。人参・セロリの根・パセリの根は洗って皮をむいておきます。ネギ・パセリはよく洗っておきます。お鍋のなかのスープが沸騰したら丁寧にアクをとり、そこに野菜とローリエの葉、黒胡椒の粒、オールスパイスの粒を入れて弱火にし、1時間ほど煮て塩胡椒で味をつけたら出来上がりです。 お肉と野菜は取り出します。人参だけは細かく切ってスープに戻します。鶏肉も加えることもありますし、スープだけを食べることもあります。ロスウはあらかじめ別に煮ておいたスープ用パスタを入れて食べるのが普通です。刻んだパセリをのせれば彩りも綺麗です。 寒い日に食べるあつあつのロスウは格別!ポーランド料理のレストランのメニューには必ず載っているので、ポーランドに来たらぜひ試してみてくださいね。 (写真はmojegotowanie.plのものです) 関連記事 / Related posts: ズパ・ポミドロヴァ (Zupa Pomidorowa) ヴウォシチズナ (Włoszczyzna) ジュレック (Żurek) プラツキ・ジェムニアチャネ(Placki ziemniaczane) ゴロンカ (Golonka)
ポーランドでは夏になると、八百屋さんやデリカテッセンの軒先に種がいっぱいつまったひまわり(słonecznik – スウォネチニク)が山積みになっているのをよく見かけます。日本ではほとんど見かけない光景なので不思議に思いますが、これはれっきとした商品。ポーランドではひまわりの種(nasiona słonecznika – ナショナ・スウォネチニカ)は、夏だけではなく一年中食べられているのです。 食べ方は簡単。黒っぽい […]
ポーランドでは7月くらいからきのこが出回り始めます。ポーランド人はきのこが大好き。週末は家族で森へきのこ狩りに行くこともあります。ワルシャワなどの都市ではきのこ狩りが出来るところは限られていますが、市場では量り売りで購入することが出来ます。さまざまな種類のきのこが籠に盛られて売られていて、どれを買おうか頭を悩ませてしまうほど。マッシュルームやヒラタケなどは一年を通して購入することが出来ますが […]
海のイメージがあまりないポーランドではありますが、北部はバルト海に面しています。海に面した有名な観光地といえば、昔の面影を残したままの美しい旧市街のあるグダンスク。ポーランドではこの街と近隣2つの街、ソポト(Sopot)とグディニャ(Gdynia)を合わせて“3つ子の街(Trójmiasto – トゥルイミアスト)”と呼んでいます。今回はポーランド人の海水浴の定番であるソポトをご紹介します。 ソポト(Sopot)はグダンス […]
ポーランドの夏といえばフルーツ!この時期八百屋さんにはたくさんの種類のフルーツが並びます。特に目を引くのがベリー類。値段も日本に比べればびっくりするほど安いので、気負わずにたくさん楽しむことが出来ます。そのまま食べるのはもちろん、ジャムや果実酒に加工するのもまた楽しいものです。この時期はイチゴやラズベリーの入ったビニール袋を手にして出勤する人も多く見かけます。 今回は特によく目にするベリー類 […]
今回は日本人だったらちょっとびっくりしてまうスープ、ズパ・オヴォツォヴァ(Zupa Owocowa)をご紹介します。では一体これはどんなスープなんでしょうか?ヒント:ズパはポーランド語でスープ、オヴォツォヴァは「果物の」という意味。そう、フルーツスープのことなんです。 ポーランドの夏はイチゴやラズベリー、プラム、チェリー、ブルーベリーなどのベリー類が多く出回り、値段も安い上に甘くてとてもおいしいです。それ […]
フウォドニク (Chłodnik)はポーランドのスープの一種です。冷たい(Chłodny)という言葉から名前が付いているとおり、夏によく食べられる冷製スープです。本来は冷たいスープ全般をフオドニクといいますが、一般的にフウォドニクと言った場合は、鮮やかなピンク色が特徴のフオドニク・リテフスキ(Chłodnik Litewski)を指すことが多いです。 これはボトヴィンカ(Botwinka)と呼ばれるテーブルビートの一種もしくはブラキ(Buraki […]
ポーランドの食卓に欠かせないのはきゅうりです。発酵きゅうり(Ogórki Kiszone – オグルキ・キショネ)やきゅうりのスープ(Zupa Ogórkowa – ズパ・オグルコヴァ )、きゅうりのサラダ(Mizeria – ミゼリア)などお馴染みのものはいろいろありますが、今回はポーランド人の夏の味、Ogórki Małosolne(オグルキ・マウォソルネ)をご紹介します! Małosolneとは「塩少な目」の意味で、作り方は発酵きゅうりとほ […]
ビィアワ・キェウバサ (Biała kiełbasa)はポーランドのソーセージのひとつで、日本語に約すと「白ソーセージ」です。これは豚肉の小腸に粗く挽いた豚肉とニンニク・マジョラム・塩胡椒などの香辛料を混ぜたものを詰めたもので、普通のソーセージとは違って生のまま、もしくは茹でた状態で売られています。牛肉を混ぜることもあるそうです。ドイツのヴァイスヴルストというソーセージとよく似ていますが、あちらは仔牛肉と豚 […]
ポーランドのスーパーや市場で売っている赤黒いような紫色のような、蕪にそっくりのかたちのこの野菜。これはビート(テーブルビート)で、ボーランド語ではburak(ブラク)と言います。単数だとブラク(burak)ですが、複数のブラキ(buraki)という言葉を耳にすることの方が多いかもしれません ブラクを使った代表的な料理と言えばバルシチ・チェルヴォヌィ(barszcz czerwony)ですが、お肉の付け合わせにはブラクを茹でた後に […]
マコヴィエツ(Makowiec)はポーランドのお菓子で、イーストの入った生地でポピーシードやナッツの入ったフィリングをくるんでオーブンで焼いたものです。クリスマスやイースターに必ず食べられるお菓子として有名ですが、祝日だけのものと言うわけではなく、年間を通して売っています。 フィリングにはポピーシードのほかにもアーモンドやくるみなどのナッツを細かく砕いたもの、オレンジピール、レーズン、そしてはちみつや […]
ゴロンカはポーランドでよく食べられる肉料理です。ゴロンカとは豚のすね肉のことで、これをローストしたり煮込んだりして調理します。 ローストしたゴロンカはパリパリの皮の下に分厚い脂としっとりしたお肉が層になっていて、脂分のせいなのか少し食べただけでもかなりおなかがいっぱいになります。マスタードとホースラディッシュをたっぷりつけて食べるととてもおいしく、ビールのお供にぴったりです。このローストゴロ […]
ファヴォルキ(Faworki)はポーランドの揚げ菓子です。謝肉祭や脂の木曜日、灰の水曜日の前日の火曜日に食べられることが多いですが、年間を通じて菓子店やスーパーでも売っています。箱入りのものがほとんどですが、量り売りで購入できるところもあります。 小麦粉とバター、全卵そしてたくさんの卵黄とサワークリームを混ぜて生地を作ります。大切なのはスピリタスもしくはお酢をちょっと加えること。これは揚げる際 […]