イースター前の金曜日をポーランド語でWielki Piątek(ヴィエルキ・ピヨンテック)といいます。日本語では聖金曜日、また受難日や苦難日とも呼ばれる、イエス・キリストの受難を記念する日です。 この日は「十字架の道行き」というものが行われます。これはポーランド語でDroga Krzyżowa(ドロガ・クシジョヴァ)と呼ばれるもので、イエス・キリストが捕らえられてから葬られるまでの14の場面(最後に“復活”の場面を加えて15になることもあり)の出来事に祈りを捧げるものです。この場面のことをポーランド語でStacja(スタツィア)といいます。この習慣はエルサレムで始まり、中世になってからフランシスコ会の修道士達によって広められました。場面の数が14になったのは17世紀になってからなのだそうです。 「十字架の道行き」は教会の外で行われます。普通は司祭たち、その後ろに信者達が続いてが歩きながら祈りを捧げるのですが、教会によってはキリストや兵士の格好をした人たちが、当時の状況を再現することもあります。 十字架の道行き(14留) 1.イエス、死刑宣告を受ける (Pan Jezus skazany na śmierć) 2.イエス、十字架を担う (Pan Jezus bierze krzyż na swe ramiona) 3.イエス、はじめて倒れる (Pierwszy upadek Pana Jezusa) 4.イエス、母マリアに会う (Pan Jezus spotyka swą matkę) 5.イエス、キレネのシモンの助けを受ける (Szymon Cyrenejczyk pomaga nieść krzyż Jezusowi) 6.ヴェロニカ、イエスのみ顔を拭う (Święta Weronika ociera twarz Pana Jezusa) 7.イエス、再び倒れる (Pan Jezus upada pod krzyżem po raz drugi) 8.イエス、嘆き悲しむ婦人たちを慰める (Pan Jezus pociesza płaczące niewiasty) 9.イエス、3度倒れる (Trzeci upadek Pana Jezusa) 10.イエス、衣をはがされる (Pan Jezus z szat obnażony) 11.イエス、十字架に釘付けにされる (Pan Jezus przybity do krzyża) 12.イエス、十字架の上で息を引き取る (Pan Jezus umiera na krzyżu) 13.イエス、十字架からおろされる (Pan Jezus zostaje zdjęty z krzyża) 14.イエス、墓に葬られる (Pan Jezus złożony do grobu) 15.イエス、復活される (Zmartwychstanie) (写真はkrakow.gazeta.plのものです) 関連記事 / Related posts: 聖木曜日(Wielki Czwartek) – ポーランドの祝祭日 ヴィエルキ・ポスト(Wielki Post) – […]
オスタトキ(Ostatki)は、カトリック教では謝肉祭(カーニバル)中の脂の木曜日から最終日の火曜日までの期間を指します。 オスタトキ最終日の翌日の「灰の水曜日」から復活祭に向けて準備する四旬節が始まりますが、四旬節はイエス・キリストが荒野で40日間断食をしたことに由来しているため、この期間はごちそうやパーティなどを控え、質素に生活しなければなりません。また、この期間に結婚式を挙げるのもあまりよしとさ […]
1月21日はポーランドでは「祖母の日」、ポーランド語ではDzień Babci(ジェン・バブチ)です。 母の日や父の日と同じく、この日は孫たちが大好きなおばあちゃんに日ごろの感謝の気持ちを伝えます。おばあちゃんの家を訪ねてお花やプレゼントを渡したり、離れている場合は電話をします。今年も去年に引き続きコロナウイルスの影響があるため、電話をするのが主流になりそうです。 さてこの「祖母の日」、一見とても歴史のある […]
ポーランド語で大晦日のことをシルヴェステル(Sylwester)といいます。 ポーランドの大晦日はとてもにぎやか。日本ではクリスマスを恋人や友人達と派手に祝い、新年は家族と迎えるのが一般的ですが、ポーランドでは逆。クリスマスは家族で集まり、新年は大騒ぎの中で迎えます。 大晦日の夜はパーティをします。ホームパーティのこともあればレストランやクラブでのパーティのこともあり、いろいろなパーティをはしごすること […]
国民の多くがキリスト教徒であるポーランド人にとって、クリスマス(Boże Narodzenie)はイースターと並んで一年のうちで最も大事な聖日ではないでしょうか。日本ではクリスマスは恋人達のためのものということになっていますが、ポーランドでは家族が集まって過ごします。 ポーランドのクリスマスは12月24日から26日まで。24日はWigilia(ヴィギリア)と呼ばれる、いわゆるクリスマスイブ。この日はまだ休日ではなく、大都市 […]
12月6日はミコワイキ(Mikołajki)です。これはサンタクロースの起源として有名な“ミラの聖ニコラウス”の日で、子供達はこの日、プレゼントを貰うことが習慣になっています。 もともとは12月6日の朝、枕元に聖ミコワイ(サンタクロース)からのプレゼントが置いてあるという日本でもおなじみのスタイルだったのだそうですが、現在は大人から直接おもちゃや本、お菓子などのプレゼントを貰うことが多いのだそうです。この日は […]
11月11日はポーランドの独立記念日(Święto Niepodległości – シフィエント・ニエポドレグウォシチ)です。これは1918年に第1次世界大戦が終結し、ヴェルサイユ条約によってポーランドが独立国家になったことを祝う日です。1795年にオーストリア帝国・プロイセン王国・ロシア帝国によってポーランド分割が行われ、ポーランドが地図上から姿を消してから123年ぶりの独立でした。 この祝日は1920年より始まりました。1936 […]
11月1日は“諸聖人の日”です。日本語で“万聖節”とも呼ばれるこの日のことを、ポーランド語ではDzień Wszystkich Świętych(ジェン・フシストキフ・シフィエンティフ),、もしくはŚwięto Wszystkich Swiętych(シフィエント・フシストキフ・シフィエンティフ)といいます。また、この日はポーランドでは“死者の日” – Dzień Zmarłych(ジェン・ズマルウィフ)やŚwięto Zmarłych(シフィエント・ズマルウィフ)とも言われてお […]
9月22日は国際カーフリーデーです。ポーランド語ではŚwiatowy Dzień bez Samochodu(シフィアトヴィ・ジェン・ベズ・サモホドゥ)といいます。 これは1998年、自動車の排気ガスがどのように環境に影響するかや、自動車に替わる交通手段をヨーロッパの人々に考えてもらいたいとの考えからフランスで始まったものです。ポーランドでは2004年から環境省の呼びかけによってこの祝日が始まりました。 ワルシャワ・クラクフ・ポズ […]
グルンヴァルドの戦い (Bitwa pod Grunwaldem)とは1410年7月15日、ポーランド王国・リトアニア大公国連合軍とドイツ騎士団の間で行われた戦闘のことです。 この戦闘の舞台は現在ポーランドのヴァルミア・マズールィ県にある、グルンヴァルド村・ステンバルク村そしてウォドヴィゴヴォ村の間にある平原でした。それまでドイツ騎士団はキリスト教布教の名目で各地域を侵略してきました。当時東ヨーロッパでは唯一リトアニア大 […]
6月23日はポーランドの父の日です。ポーランド語ではDzień Ojca(ジェン・オイツァ)といいます。 もともとは1909年、アメリカ・ワシントン州にあるスポケーンという街に住んでいたソノラ・スマート・ドッドという女性が、男でひとつで自分を含めた6人の子どもを育ててくれた父親への敬意を表し、父の誕生月である6月に礼拝をしてもらったことが父の日が祝われるきっかけになったと言われています。最初の父の日の式典は1910 […]
6月21日は夏至の日です。ポーランドを含むスラブ諸国では古代からこの日は水と火、愛と子孫繁栄、そして太陽と月を祝う日であり、占いなどが行われる夏至祭り(Noc Kupały ‐ノツ・クパウィ)の日でした。 この夏至祭りに行われていた占いや儀式はほとんど全てが健康と豊作に関係するものでした。例えば、既婚の女性が焚き火のまわりで踊りながら焚き火にヨモギやセージを投げ入れると、子孫繁栄と豊作にご利益があると言わ […]
3月21日はさぼりの日(ジェン・ヴァガロウィチャ – Dzień Wagarowicza)です。これは毎年3月21日にポーランドの学生(特に小学校高学年・高校生)によって祝われる祝日で、wagary(ヴァガルィ – 授業をさぼる)という言葉が示す通り、なんと学校の授業をさぼってしまう日です。 もちろんこの祝日は公的な祝日ではありませんし、ポーランドのすべての学校の生徒が学校をさぼるわけではありません。すべての授業を […]