ポーランドのかわいいものといえば、「ボレスワヴィエツのお皿」「ウォビチの切り絵」「まるごと花模様のザリピエ村」「ヴロツワフの小人」……でも、それだけじゃありません。 裏通りのお店にはかわいいポーランドがまだまだ見つかるし、丁寧につくられた一点ものがパリや東京より、だいぶお値頃なのもうれしい。そんな職人さんの手仕事を中心に、ポーランドで見つけたかわいいものをご紹介しましょう。 最初のかわいいポーランドは「柳編みのかご(koszyk wiklinowy)」。 柳かごは古くからポーランドの人々にとって「豊穣」のシンボルであり、なくてはならない暮らしの道具でした。ポーランド人にとってクリスマスよりも大切な復活祭(Wielkanoc )を象徴するイースターバスケットにもこの柳かごが使われます。国民の9割近くがカトリック信者であるポーランドでは、復活祭前日の聖土曜日になると、皆、このイースターバスケットを手にして教会を訪れます。どのかごもリネンのクロスと花で飾られて、卵(Pisanki)や十字架の模様のついたパン(Babka)、羊の形のバターなど、復活祭にちなんだ8種の食物が入っています。教会で神父さまにこのバスケットを祝福してもらったら大切に家まで持ち帰り、翌朝の食卓で柳かごの中の食物を分かち合いながら、家族みんなで復活祭を祝います。 ずらりと並んだイースターバスケットを祝福する神父さま(画像は ICIMSS/ Europeana Food and Drinkよりお借りしました) ポーランド生まれの柳かごの持ち味は、そのなめらかな手ざわりにあります。編み目はもちろん、角の部分までふっくらと丸みを帯びてつくられているので、ささくれが手にひっかかったり、服が引っかかったりする心配がありません。 使われている柳はもちろんポーランド産。節の少ないしなやかな若木だけを使います。柳編みの産地として20世紀初頭から知られるポーランド中部のNowy Tomyślに行くと、今でもObra 川沿いの湿地帯一面に広がる柳畑が見られます。 もちろん編み方も大切です。かご屋のおじさんは「柳かごはじっくり編まないとね。せかせか編んでいると、どうしてもゴツゴツした仕上がりになってしまう。でも、まあ、ポーランド人はあせって仕事をするのが何より嫌いだから、柳かごづくりに向いているんだよと笑っていました。 柳の買物かごは軽くて頑丈。子どもの頭より大きなキャベツを放り込んでもびくともしません。ワルシャワの下町では今も、使いこんで飴色になった柳かごを手に屋台で買い物をするポーランドのお母さんに出会います。 子ども用の小さな買物かごもあります。お母さんの隣で小さな手が差し出す買物かごに、「はいはい、どうぞ」と玉ねぎとじゃがいもを一つずつ入れてくれる八百屋のおじさんの姿もポーランドならではの風景です。 もう一つ、外皮をむかずに編んだ大ぶりの柳枝かご(wiklina nieluszczona)も人気があります。ゴツゴツしているので持ち運びには向きませんが、頑丈で水や日差しに強く、昔から農作業用に重宝されてきました。今でも庭の装飾や根菜類の保管用にポーランドの家庭でさまざまに使われています。 価格はそれぞれ、大人用の買物かごは一つ60zł、子ども用は20zł、柳枝かごは80zł前後。 職人さんに申し訳ないようなお値段ですが、これがヨーロッパの他の国に輸出されると倍以上になるのだとかご屋のおじさんが教えてくれました。 ポーランドの柳かご、見かけたらぜひ、手にとって、職人さんの手作りならではの使い心地を確かめてみてください。 関連記事 / Related posts: ポーランドのメタルにハマってしまった女(メタル漬け生活@ポーランド)
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